サイバーマンデー

サイバーマンデー：オンラインショッピングの祭典

サイバーマンデーは、アメリカ合衆国で生まれた大規模なオンラインセールイベントです。感謝祭（11月の第4木曜日）の翌月曜日に行われることが多く、この日に合わせ、多くのECサイトが大幅な値引きセールを実施します。感謝祭の連休明け、人々が職場や自宅に戻り、オンラインショッピングに集中する時期であることから、この名称が定着しました。

アメリカにおけるサイバーマンデー：その誕生と成長

アメリカでは、感謝祭の翌日から始まるブラックフライデーセールで、実店舗が買い物客で賑わう中、サイバーマンデーはオンラインショッピングの祭典として位置づけられてきました。当初は、家庭用インターネット回線が低速だったため、職場などの高速回線を利用してオンラインショッピングをする人が多く、月曜日に売上が集中する現象が見られました。この現象に着目し、2005年に全米小売協会が「サイバーマンデー」という名称を公式に使用し始めたことが、このイベントの始まりとされています。

サイバーマンデーの売上高は年々増加しており、2007年には7億3300万ドル、2010年には10億2800万ドル、2022年には113億ドル、そして2023年には124億ドルに達しました。これは、インターネットの普及とオンラインショッピングの浸透を示す重要な指標となっています。

ブラックフライデーとの関係：融合と前倒し化

しかし近年、アメリカでは、オンライン小売業者がブラックフライデーや感謝祭当日からセールを開始するケースが増えています。これは、オンラインと実店舗の競争激化、家庭用高速インターネット回線の普及、スマートフォンの普及などが要因として挙げられます。従来の「ブラックフライデーは実店舗、サイバーマンデーはオンライン」という棲み分けは、もはや崩れつつあります。

にもかかわらず、サイバーマンデーは依然として重要なセールイベントであり、年間を通して最も売上高が大きい日々のひとつとして位置づけられています。

日本におけるサイバーマンデー：ボーナス商戦とのかかわり

日本には感謝祭の文化がないため、サイバーマンデーは冬のボーナス商戦の一環として導入されました。2008年頃より、ボーナス支給日後にECサイトの売上が増加する傾向が見られ、楽天市場はこれを「ボーナスサンデーナイト」キャンペーンと位置づけていました。

その後、Amazon.co.jpが2012年に12月第2月曜日を「サイバーマンデー」として日本記念日協会に申請し、認定されました。これにより、日本でもサイバーマンデーが本格的に定着し始めました。しかし、近年は、日本でもブラックフライデーが浸透し、サイバーマンデーという名称は徐々に使われなくなっているのが現状です。

まとめ：変化するサイバーマンデー

サイバーマンデーは、アメリカで誕生し、世界中に広まったオンラインセールイベントです。当初は明確な位置づけがありましたが、近年はブラックフライデーとの融合が進み、セール期間の前倒し化、名称の変更など、変化の兆しが見られます。それでもなお、サイバーマンデーは年末商戦における重要なイベントであり、消費者の購買行動に大きな影響を与え続けています。今後の動向にも注目が必要です。

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