サオリーナ

サオリーナ（SAORINA）

「サオリーナ」は、三重県津市北河路町に所在する屋内総合スポーツ施設です。この施設は、津市産業・スポーツセンター内に位置し、2017年10月1日に開業しました。施設の名称は、津市出身の著名なレスリング選手・吉田沙保里に由来し、この名称は公式に認められた正式名称です。

概要

サオリーナの企画は2010年に始まり、2011年には基本計画が策定されました。設計コンペを経て、2012年には基本設計が発表されました。その後、複数回にわたって設計検討会が開かれ、さらなる具体化が図られました。特に、2012年のレスリング世界選手権で吉田沙保里が10連覇を達成したことを受けて、翌月に施設名「サオリーナ」が発表されました。この名称は、吉田本人による提案で、結婚による姓の変更の可能性を考慮して名付けられたものです。

工事は2015年4月に始まり、2016年には内装工事が進められました。開業日の2017年10月には、吉田沙保里をはじめとする著名なアスリートが参加するイベントが行われました。このイベントでは、スポーツ体験やトークショーが行われ、多くの来場者で賑わいました。

開館前の課題

サオリーナの開発には、いくつかの困難がありました。特に入札が相次いで不調となり、工事の開始が遅延する事態が発生しました。最終的に、2014年12月の入札で契約が成立しましたが、その過程では東日本大震災後の公共工事の増加や資材費の高騰が影響を及ぼしました。

さらに、工事現場で不法就労が発覚した案件や、担当者による不正行為も明るみに出るなど、開館までに様々な問題が発生しました。これらの問題は最終的に解決され、2017年の開館を迎えました。

施設構造

サオリーナは多様なスポーツ活動ができるよう設計されており、特に吉田沙保里の業績を記念した「SAORIUM」というスペースも設けられています。また、外周には1,200メートルのランニングロードが設置され、健康促進のための場所としても利用されています。

施設の開業前、喫煙設備が日本たばこ産業から寄贈されるなど、地域との密接な関係も築かれています。

防災機能

サオリーナは大型施設として、防災拠点としての機能も備えています。災害時には避難所としても機能し、スタッフはドクターヘリの発着に対応する駐車場や自家発電装置、浄水設備を整備しています。

アクセス

「サオリーナ」へのアクセスも整備されており、伊勢自動車道津ICから約3分、JR津駅からは約4キロの距離にあります。また、周辺には複数のバス路線が整備され、訪問者の利便性を高めています。

多様な機能と充実したスポーツ環境を提供するサオリーナは、地域社会にとって重要な役割を果たしており、今後も様々なスポーツイベントや地域行事が行われることが期待されています。

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