サニーレタス

サニーレタスとは

サニーレタスは、葉が縮れていて、赤紫色を帯びた色鮮やかな非結球型のレタスです。一般的には「リーフレタス」や「チリメンチシャ」とも呼ばれますが、特に赤みを帯びた品種を指して「サニーレタス」と呼ぶことが多いです。和製英語であり、英語圏では「red-tip leaf lettuce」や「red leaf lettuce」などと呼ばれます。日本では1980年代から広く普及し、現在では一般名詞として定着しています。

名称の由来

「サニーレタス」という名称は、1982年に商標登録出願されましたが、1985年に拒絶されました。これは、市場に広く普及した名称であり、特定の商品名として独占すべきではないと判断されたためです。また、雑学書などでは「スタンクトン・アーリーレッド」が正式名称であるという説や、日産自動車の「サニー」に由来するという説がありますが、これらは俗説です。「チリメンチシャ」という名称は、葉の断端がちりめん状に縮れていることに由来します。

歴史

サニーレタスが日本で栽培されるようになったのは、愛知県の農業家、朝倉昭吉氏の研究がきっかけです。1960年代、朝倉氏は食生活の洋風化を見据え、さまざまな種類のレタスを試作していました。当時、日本では結球レタスが主流でしたが、朝倉氏は葉レタスの可能性に着目しました。ある時、レストランで玉レタスの葉を剥がす手間を見た朝倉氏は、葉レタスが業務用に適していると考え、海外から「プライズヘッド」と呼ばれる葉レタスを導入し、仲間とともに試作品を完成させました。当初は「レッドレタス」と名付けられましたが、料理研究家の江上トミ氏からの助言で、「太陽の恵みを全身に受けて赤色がきれいに出た」というイメージから「サニーレタス」に改名されました。

1971年に初出荷された当初は、その赤い色から市場には受け入れられませんでしたが、日本に滞在する外国人の間で話題となり、徐々に普及していきました。朝倉氏は葉レタスの梱包作業を効率化するための包装具も開発し、その普及に大きく貢献しました。1980年代には、新聞でレシピが紹介されるなど、一般家庭にも広く浸透し、現在では広く認知される野菜となっています。朝倉氏の功績は、1987年に科学技術庁長官賞、2002年には黄綬褒章を受章することで称えられています。

特徴

サニーレタスは緑黄色野菜に分類され、鮮やかな赤紫色が特徴的です。この赤色は、光から身を守るために作られるアントシアニンという色素によるものです。露地栽培ではよく発色しますが、屋内での水耕栽培では十分に色づかない場合があります。栄養価が高く、β-カロテンを多く含み、ビタミンC・B・K、葉酸、カルシウム、鉄分、カリウム、食物繊維なども豊富です。

栽培方法

サニーレタスの種は、育苗箱に筋まきし、本葉が出たらポットに植え替えます。本葉が5～6枚になったら、株間30cmで畑に定植します。植え付けから2週間後に追肥を行い、葉が20cm程度に成長したら収穫します。収穫は、必要な分だけ葉を掻き取ったり、株ごと刈り取ったりします。

利用方法

サラダの具材としてよく利用されます。また、焼肉を巻く野菜として用いられることもあります。シャキシャキとした食感と、ほのかな苦味が特徴で、料理の彩りにも重宝されます。

品種

サニーレタスは、特定の品種を指す名称ではなく、赤みを帯びたリーフレタスの総称です。しかし、「サニーレタス」という名称で販売される品種も多く存在します。

まとめ

サニーレタスは、鮮やかな赤紫色が特徴的な葉レタスの一種です。サラダだけでなく、様々な料理に利用でき、栄養価も高いことから、健康志向の方にもおすすめです。家庭菜園でも比較的簡単に育てられるため、ぜひ栽培に挑戦してみてはいかがでしょうか。

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