サンタイサベル島

サンタイサベル島は、ソロモン諸島の北部、太平洋に浮かぶ緑豊かな島です。この島はサンタイザベル島、また単にイサベル島、イザベル島とも呼ばれています。その形状は南東から北西へと細長く伸びており、ソロモン諸島の中ではガダルカナル島、チョイスル島に次ぐ3番目に広い面積を有しており、その広さは3,780平方キロメートルに及びます。島の南東にはマライタ島、北西にはチョイスル島が位置し、ニュージョージア海峡を挟んで南西にはニュージョージア諸島が広がっています。

行政区分上、サンタイサベル島はソロモン諸島を構成するイサベル州の主要な部分を占めています。州都であるブアラは、島の東部に設けられています。この島にはおよそ30,000人の人々が暮らしを営んでいます。島内の地形は変化に富み、特に最高峰のクボニツ山（Kubonitu山）は標高1,220メートルに達し、島の自然景観を特徴づけています。

サンタイサベル島の歴史において特筆すべきは、ヨーロッパ人がソロモン諸島で最初に足を踏み入れた場所であるということです。1568年、スペインの探検家であるアルヴァロ・デ・メンダーニャ・デ・ネイラの一行がこの島に到達しました。これは、しばしばソロモン諸島の「発見」として歴史に記録されています。

また、近年の歴史、特に第二次世界大戦の文脈で、サンタイサベル島はその名が登場します。戦後、日本の厚生省（現在の厚生労働省）は、戦没者の遺骨収集や、戦争中に消息不明となった兵士たちの足取りを追う調査を進めていました。1973年（昭和48年）、同省の調査団は、1942年（昭和17年）にニュージョージア島で部隊から離れて取り残されたまま行方不明となっていた日本兵27名に関する現地調査を実施しました。

調査は、当時のイギリス軍ソロモン領域沿岸警備隊の元隊長への聞き取りを中心に進められました。元隊長は、戦時中にサンタイサベル島の地元住民に武器を供与していた人物でした。その元隊長が所持していた記録の中に、驚くべき記述が見つかります。それは、武器を受け取ったサンタイサベル島の現地住民8名が、1942年12月22日に日本兵27名と交戦し、これを全滅させたという内容でした。

厚生省の調査団は、この記録に示された日本兵の人数（27名）と、交戦が行われた時期（1942年12月）が、ニュージョージア島で消息を絶った日本兵の状況と完全に一致することを確認しました。このことから、ニュージョージア島に取り残された27名の日本兵が、サンタイサベル島に移動した末、そこで悲劇的な最期を迎えた可能性が極めて高いと結論付けられたのです。この調査結果は、第二次世界大戦における孤立部隊の過酷な運命を物語る重要な記録となっています。

サンタイサベル島は、手付かずの自然が残る美しい島でありながら、初期のヨーロッパ人との接触、そして第二次世界大戦における戦争の悲劇という、幾層もの歴史が刻まれた場所です。今日も島の人々は独自の文化を守りながら暮らしており、静かに過去の出来事がその地に息づいています。

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