ザイリンクス

ザイリンクスについて

ザイリンクス (Xilinx, Inc.) は、アメリカのカリフォルニア州に本社を置いていた半導体企業で、主にFPGA（フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ）を中心としたプログラマブルロジックデバイスの開発を行っていました。1984年に設立され、長年にわたり業界の先駆者として君臨してきましたが、2023年6月にAMDに吸収合併されたことにより、企業としての歴史に幕を下ろしました。

企業概要

ザイリンクスはファブレス半導体企業として知られ、半導体の製造を外部のファウンドリに委託していました。日本国内でも「ザイリンクス株式会社」として展開しており、プログラマブルロジックデバイスに加えて、関連するIP（知的財産）と開発環境も提供していました。特にFPGA、CPLD（複合プログラマブルロジックデバイス）、およびそれらを用いた開発ソフトウェアが主力製品です。

主な製品

ザイリンクスは多様なシリーズのFPGAを展開しており、高性能から低価格帯のものまで揃えています。たとえば、Virtexシリーズは高性能型として知られ、Virtex UltraScale+やVirtex-7などの製品があります。また、KintexシリーズやArtixシリーズも包括的にカバーしており、さらには初代のZynqシリーズに至るまで多数の製品ラインが存在しました。Spartanシリーズは価格重視のユーザー向けに設計されています。

さらに、CPLDとしてはCoolRunnerシリーズとXC9500シリーズが提供されており、さまざまなニーズに応えています。ザイリンクスは、付随する開発環境としてVivado HLx、SDSoC、SDAccel、ISEなどを開発し、これらはユーザーの回路設計作業を支援しています。

IPコア

IPコアの提供も行っており、特にMicroBlazeと呼ばれるソフトプロセッサは2007年に発表されました。これによりLinuxをサポートするなど、複雑なシステムの構築が可能となり、多くの開発者に利用されました。さらに、PicoBlazeなど多様なIPコアも提供し、開発の効率化を図っていました。

企業の歴史

ザイリンクスの歴史は、1984年の創業から始まりました。多くの画期的な製品を市場に送り出し、さらに2003年にはSpartan-3を、2004年にはVirtex-4を発表しました。ここから加速度的に技術が進展し、2010年には7シリーズ（Virtex-7、Kintex-7、Artix-7）を発表、2018年にはAPAC（適応型演算アクセラレーションプラットフォーム）という新しいコンセプトの技術を発表しました。

2020年には半導体大手のAMDと買収の合意に至り、2022年にはその買収が正式に完了しました。この結果、ザイリンクスはAMDの一部として統合されることとなり、その豊かな歴史を経て、企業としての役割を終えました。

まとめ

ザイリンクスは、プログラマブルロジックデバイスにおけるトップブランドとして、数多くの技術革新を起こしてきました。その製品群は、多様な用途に応じた高い柔軟性を提供しており、今後の半導体産業における影響力は影響を持ち続けることでしょう。AMDに吸収合併されたことで、新たな歩みを始めたとも言え、今後はその技術がさらに進化していくことが期待されています。

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