シェルタリング・スカイ

シェルタリング・スカイ

『シェルタリング・スカイ』（原題: The Sheltering Sky）は、1990年に公開されたイギリスの映画で、監督はベルナルド・ベルトルッチ、製作はワーナー・ブラザースによるものです。この映画は、ポール・ボウルズの1949年の小説『極地の空』を原作としており、ベルトルッチとマーク・ペプローが共同で脚色しました。物語は1947年の北アフリカを舞台に、かつての活気を失った一組の夫婦の過酷な運命を描いています。

キャストとキャラクター

映画の中心となる夫婦、キットとポート・モレスビーには、デブラ・ウィンガーとジョン・マルコヴィッチがそれぞれ演じています。その他にも、キャンベル・スコットがジョージ・タナー役、ティモシー・スポールがエリック・ライル役を務めており、それぞれのキャラクターが物語の中で重要な役割を果たしています。また、原作者のポール・ボウルズ自らがナレーターとして出演し、物語のクライマックスを締めくくる役割を担っています。

音楽とスタッフ

映画の音楽は坂本龍一が担当し、彼は『ラストエンペラー』に続くベルトルッチ監督作品の音楽を手がけました。彼の音楽は映画の雰囲気を一層引き立て、坂本はこの作品によって第48回ゴールデングローブ賞作曲賞を受賞しました。production designや撮影には、フェルディナンド・スカーフィオッティとヴィットリオ・ストラーロが関わっており、その美しい映像美が観客に強く印象づけられています。

受賞歴

本作は、ゴールデングローブ賞をはじめとする多くの映画賞にノミネートされ、特に音楽と監督の二部門で受賞しています。英国アカデミー賞やイタリア映画批評家協会賞でも評価され、映画の質の高さが際立っています。

エピソード

映画制作には様々なドラマがあったと言われており、ポート役には本来デニス・クエイドやウィリアム・ハート、キット役にはメラニー・グリフィスが候補として考えられていましたが、厳しい予算の関係で実現しませんでした。また、映画の最後のカットに出てくるセリフは、アメリカの音楽バンドニューロシスに引用されたことでも知られています。

映画の影響

『シェルタリング・スカイ』は、見る者に深い印象を残す愛と喪失の物語です。夫婦が互いに支え合う中で直面する困難や、過去の自分たちを思い返す姿が描かれ、観客は彼らの行く先に興味を持つでしょう。作品は単なる恋愛映画にとどまらず、人間の存在や人生の意味についても問う作品となっています。

関連情報

1998年にはポール・ボウルズについてのドキュメンタリー映画『ポール・ボウルズの告白 / シェルタリング・スカイを書いた男』が製作され、原作や映画の背景についての理解をさらに深める手助けとなっています。興味を持たれた方は、ぜひこの作品を観ることをおすすめします。

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