シナノゴールド

シナノゴールド

シナノゴールドは、長野県果樹試験場で育成された黄色いリンゴの品種です。ゴールデンデリシャスと千秋を交配して生まれ、1999年に品種登録されました。長野県で生まれた秋映、シナノスイートと共に「りんご三兄弟」と呼ばれ、親しまれています。イタリアでは、‘yello’という商標で商業栽培されています。

特徴

樹は中間的な形状で、樹勢は中程度。開花時期はふじや津軽よりもやや遅いです。自家不和合性があり、単為結実も起こります。落果は少ないです。果実の熟期は9月下旬から10月上旬で、やや晩生。コルクスポットやビターピットの発生は少ないとされています。

果実は円形から長円形で、やや大きめ。重さは350グラム程度です。果皮には光沢があり、黄緑色から黄色へと変化し、日に当たると赤みを帯びることもあります。こうあ部（果柄の付け根）にサビが見られることがあります。果肉は黄白色で、硬さやきめは中程度。果汁が多く、甘味と酸味のバランスが良いのが特徴です。糖度は14–15%、酸度は0.4–0.5%程度。蜜は入りません。寒冷地で栽培されたものは、酸味が強くなる傾向があります。貯蔵性は比較的良好で、室温で3週間、冷蔵で3ヶ月ほど保存可能です。CA貯蔵では翌年6月頃まで貯蔵できます。

歴史

シナノゴールドは、1983年に長野県果樹試験場にて、ゴールデンデリシャスを種子親、千秋を花粉親として交配されました。翌年、この交配に由来する個体を育成し、1986年に定植して選抜を開始。1992年に初めて結実し、果実品質の高さから選抜され、1996年に品種登録を申請、1999年にシナノゴールドとして登録されました。

2021年時点で、日本国内の栽培面積は約870ヘクタール。青森県、長野県、岩手県などで栽培されています。海外へも輸出されており、台湾、香港、シンガポールなどで好評を得ています（2018年時点）。

海外での栽培

2007年、長野県はイタリアの生産者団体と利用許諾契約を結び、現地での試験栽培が始まりました。2011年の試験栽培の結果、外観、品質、貯蔵性に優れ、食感とジューシーさが評価され、2014年に商業栽培へと移行しました。2016年には品種と商標に関するライセンス契約を締結。商標は「yello」とし、20代から30代の若者世代をターゲットに、商品のイメージを明るく楽しいものとしています。商品名の「Shinano Gold」は、販売時に包装容器などに記載されます。

2019年には、EU内に限られていた商業栽培が南アフリカ、ニュージーランド、オーストラリア、チリ、アメリカなど広範囲で可能になりました。販売地域は約90か国に拡大し、南半球での栽培開始により、年間を通しての流通が可能になりました。

外部リンク

シナノゴールド - りんご大学
シナノゴールド開発ストーリー - 長野県農業関係試験場
* VI.P Shinano Gold / yello（英語）

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