ゴールデンデリシャス

ゴールデンデリシャス

ゴールデンデリシャスは、アメリカ合衆国原産の黄色いリンゴの代表的な品種です。19世紀末に偶然生まれたとされ、1914年にスターク商会によってその名が与えられ、世界中に広まりました。その甘酸っぱい味わいと、様々な品種の親としての役割から、今日まで広く愛されています。

特徴

ゴールデンデリシャスの木は、比較的育てやすく、豊産性ですが、年によって収穫量に変動が見られることがあります。また、黒星病やさび病といった病気にかかりやすい一面もあります。果実は中くらいの大きさで、重さは250〜350グラム程度。円形からやや円錐形をしており、熟すと緑がかった黄色になります。日光が当たると赤みを帯びることもあります。

果肉は緻密で柔らかく、果汁が豊富。甘味と酸味のバランスが良く、芳醇な香りも楽しめます。ただし、貯蔵性はあまり高くなく、時間が経つと軟化しやすいのが難点です。

栽培と生産

ゴールデンデリシャスは、世界中で栽培されており、特にヨーロッパでの生産量が多いです。しかし、日本ではサビが出やすいなどの理由から、かつてほど多くは栽培されていません。収穫時期は10月頃で、中生から晩生品種に分類されます。

歴史

1891年、ウェストバージニア州の農場で偶然発見された一本のリンゴの木が、ゴールデンデリシャスの始まりでした。その木は、グライムスゴールデンとゴールデンリネットの交配によって生まれたと考えられています。1914年にスターク商会がこの木の権利を買い取り、「ゴールデンデリシャス」と命名。その後、アメリカ全土に広がり、主要なリンゴ品種の一つとなりました。

ウェストバージニア州では、1955年にゴールデンデリシャスを州の果物に指定し、クレイ郡では1973年から毎年ゴールデンデリシャス・フェスティバルが開催されています。

名称の由来

当初は「Annit Apple」や「Mullins' Seedling」などと呼ばれていましたが、スターク商会が権利を取得した際に、同社の品種である「デリシャス」にあやかって「スタークゴールデンデリシャス」と命名されました。その後、「ゴールデンデリシャス」に改名された経緯があります。

派生品種

ゴールデンデリシャスは、多くの品種の親としても知られています。枝変わりによって生まれた品種も多く、‘Clear Gold’、‘Courtagold’などがあります。また、交配によって生まれた品種も数多く存在し、‘ガラ’、‘ジョナゴールド’、‘つがる’、‘王林’など、日本でも馴染み深い品種の育成に貢献しています。

ゴールデンデリシャスは、生食だけでなく、アップルソースやシードルの原料としても利用されています。その多様な用途と、他の品種への影響力の大きさから、リンゴの歴史において重要な役割を果たしてきたと言えるでしょう。

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