シネマアイリス

函館市民映画館シネマアイリス

函館市にある映画館、シネマアイリスは、地域に根ざした映画体験を提供するミニシアターとして知られています。1996年に開館し、五稜郭公園近くの便利な地点に位置しています。シネマアイリスは、映画ファンに愛され続けているコミュニティシネマの一つです。

基本情報

• - 所在地：北海道函館市本町22-11 グリーンエステート1階
• - アクセス：函館市電湯の川線の五稜郭公園前停留場から徒歩2分
• - 座席数：71席

歴史

シネマアイリスの開館前、1990年代には函館市内の映画館が次々と閉館していく厳しい状況がありました。特に1993年には伝統ある巴座が閉館し、市民にとって映画の場が失われていきました。この状況を受け、菅原和博を中心とする市民団体は映画上映の機会を取り戻すため、およそ470人の市民から出資を集め、シネマアイリスの開館を実現しました。

1996年5月24日、五稜郭公園近くにシネマアイリスがオープンしました。北海道では二番目のミニシアターもしくはコミュニティシネマとして、地域の文化的ランドマークの一つとなりました。開館初日の上映作品は、ウェイン・ワン監督の『スモーク』とジェラール・コルビオ監督の『カストラート』でした。開館初年度には、ダニー・ボイル監督の『トレインスポッティング』が大ヒットし、多くの観客を魅了しました。

その後、シネマアイリスは函館市内に残った数少ない映画館の一つとなりました。開館当初は、主にマニアックな作品やインディペンデント映画が上映されていましたが、やがて子供向けのアニメ映画や名作旧作の上映も行うようになりました。2006年には黒沢清監督が作品の公開時にトークショーを行うなど、監督との交流の場を提供しました。

開館10周年と新たな挑戦

2006年5月には開館10周年を迎え、高峰秀子や成瀬巳喜男の特集上映が行われました。また、2008年12月には松竹映画の『おくりびと』の上映本数が1,000本を超え、翌年の日本アカデミー賞受賞なども相まって、長期間にわたるロングラン上映は大成功を収めました。

2010年には、地域活性化の一環としてデジタル上映と3D上映のための設備が導入されました。さらに、映画『海炭市叙景』や『そこのみにて光輝く』など、函館を舞台にした作品が上映される機会も増え、地域の文化や物語を発信する役割も果たしています。特に『そこのみにて光輝く』は国際的にも評価され、シネマアイリスでアンコール上映が行われるなど、多くの観客に再び歓迎されました。

シネマアイリスは、地域の映画文化を支えながら、これからも多様な上映作品や特別イベントを通じて、観客とのつながりを大切にしていくことでしょう。

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