五稜郭公園前停留場

函館市電 五稜郭公園前停留場：五稜郭への玄関口

函館市電湯の川線にある五稜郭公園前停留場は、その名の通り、函館の観光名所である五稜郭公園へのアクセス拠点として機能しています。駅番号はDY09。2008年9月29日からはネーミングライツ制度により、野村證券前という副名称も持ち、親しみやすさと知名度向上に貢献しています。函館市電の停留場としては五稜郭公園に最も近いものの、徒歩で約15分、850メートルほどの距離があります。

歴史と変遷

五稜郭公園前停留場は、1913年（大正2年）6月29日、「五稜郭停留場」として開業しました。その後、1949年（昭和24年）5月4日に現在の名称に改称されました。1951年（昭和26年）7月1日には宮前線が接続されましたが、1993年（平成5年）4月1日に廃止されています。2015年（平成27年）11月16日には電停安全地帯の改築工事が完了し、安全で利用しやすい停留場へと生まれ変わりました。この改築によって、バリアフリー構造の改善や、停留場のデザイン刷新などが行われています。

停留場の構造と設備

五稜郭公園前停留場は2面2線のホーム構造です。2015年の改築前は相対式ホームでしたが、現在は千鳥式ホームとなっています。往線・復線ホームともに防風板と上屋が設置されており、悪天候時でも快適に利用できます。

バリアフリー化も進められており、2015年以前は復線ホームのみでしたが、改築後は往線・復線ホームともに車椅子利用者にも対応できる構造となっています。乗客の安全確保と利便性向上のため、復線ホームには電車接近表示機が設置されています。この表示機はLED表示板とスピーカーを使用し、電車の接近状況を分かりやすく知らせるだけでなく、函館の代表的な楽曲である「はこだて賛歌」のアレンジバージョンも流れます。

また、往線ホームには2019年（令和元年）8月30日に函館五稜郭ロータリークラブから寄贈された41インチサイズのデジタルサイネージが設置されています。リアルタイムの運行情報に加え、観光情報や市電の利用マナーなども表示され、乗客にとって有益な情報提供が行われています。

さらに、事故や故障発生時、増車時、イベント開催時の交通規制時などには、往線と復線ホームをつなぐ渡り線が使用されます。この渡り線とポイント設備は、安全かつ円滑な運行を支える重要な役割を担っています。

周辺環境

五稜郭公園前停留場の周辺には、五稜郭公園をはじめ、五稜郭タワー、函館相生教会、函館中央警察署、金融機関、商業施設などが集まっています。函館市中央図書館や北海道立函館美術館、函館市芸術ホールなどの文化施設も近隣にあり、観光客だけでなく地元住民にとっても利便性の高い立地となっています。

さらに、函館バスの停留所や、北海道バスの特急バス乗り場も近く、他交通機関との接続も良好です。周辺には飲食店も多く、「五稜郭バル」などのイベントも開催され、活気ある地域となっています。中央病院前停留場から五稜郭公園前停留場にかけては、函館市内でも有数の歓楽街として知られ、賑わいを見せています。

隣の停留場

湯の川方面：杉並町停留場
函館駅前方面：中央病院前停留場

五稜郭公園前停留場は、歴史と進化を遂げながら、函館の街の発展と観光振興に貢献し続けている重要な交通拠点です。

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