シネマ尾道

シネマ尾道

シネマ尾道は広島県尾道市に位置する映画館で、2008年に開館しました。この映画館は1スクリーンと112席を有し、NPO法人シネマ尾道によって運営されています。代表の河本清順氏が中心となり、地域の映画文化を復活させるべく、多彩な活動を展開しています。

尾道市の映画の歴史

尾道市は小津安二郎や大林宣彦といった著名な映画監督を輩出した場所で、「映画の街」として知られています。映画の撮影が1928年から行われ、これまでに多くの作品がこの地で生み出されてきました。過去には約10館の映画館が存在しましたが、テレビの普及や娯楽の多様化により多くが閉館。2001年には尾道市唯一の映画館であった「尾道松竹」が閉館し、映画の観覧機会が失われました。

映画館をつくる会の結成

尾道松竹閉館の後、河本清順は故郷に映画館を再建することを決意しました。彼は映画好きの祖父からの影響で映画に親しみ、様々なミニシアターを訪れ、運営方法を模索。2004年には「尾道に映画館をつくる会」を設立し、上映会を開催。地域のつながりを大切にしながら、少しずつ観客を増やしました。

尾道シネマ基金の立ち上げ

2007年からは尾道シネマ基金を設立し、映画館開館に向けての資金集めを開始しました。地域の書店や飲食店の協力も得て、多くの寄付金が集まり、ついには2700万円以上の資金が確保されました。

映画館の設立と開館

シネマ尾道の物件選定や改装工事が進む中、かつての尾道松竹の建物を使用することが決定。改装工事中には不運な火災もありましたが、施設の整備が進められました。2008年4月3日の開館を予定していましたが、先述の火災の影響や工事の遅れで実際のオープンは同年10月18日に行われ、『ぐるりのこと。』が初上映されました。

開館後の活動

シネマ尾道は独自のプログラムをもって運営されており、毎月多数の映画を上映。特にミニシアター系の作品に力を入れ、地域密着型のイベントやワークショップも行っています。また、地元の映画祭「お蔵出し映画祭」にも参加し、地域の文化と映画館のつながりを強化しています。

今後の展望

現在、シネマ尾道は年間約120本の映画を上映し、地域の人々に映画の楽しさを伝えています。続々と新たなイベントや上映会が企画され、地域のシネマ文化を盛り上げる取り組みが進行中です。映画館が地域に活力をもたらす場として、これからもその役割を果たし続けることでしょう。

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