シャチボン

シャチボン - 名古屋の鯱形シュークリーム

概要

シャチボンは、ジェイアール東海フードサービスが提供する鯱（しゃち）を模したシュークリームで、初めて登場したのは2000年。名古屋駅で販売され、瞬く間に名物となりました。その特徴的な形と味により、多くのファンを魅了し、名古屋を訪れた旅行者の間で「シャチボン体験記」が語られるなど、話題となりました。

経緯

シャチボンはJR名古屋駅のコンコース内にある喫茶店「ボンヴォヤージュ」で販売が始まりました。当初は一日わずか6個の限定販売でしたが、瞬く間に人気が高まりました。シャチボンは、イチゴを口に見立て、目玉部分にはチョコレートと生クリームを使っており、見た目のユニークさが好評でした。

その後、2004年のコンコースリニューアルの際に「ボンヴォヤージュ」は閉店し、販売が「黐木（もちき）」に移りました。さらに、2007年には「カフェ アローム」でも名古屋城をイメージしたパフェメニューが発売され、シャチボンが2匹乗せられることとなりました。しかし、2011年の「カフェ アローム」の閉店に伴い、シャチボンの販売は「休養」として終息を迎えました。

その後、名古屋駅でのスイーツメニューは新たに「ぴよりん」に移行し、可愛らしいひよこの形状が人気を集めましたが、独特な形を持つシャチボンの復活を望む声も多くありました。ジェイアール東海フードサービスは2019年頃から復活のプロジェクトに取り組み、2022年6月を目指して元パティシエの協力のもと再登場を果たしました。

シャチボンの構造

シャチボンは、その独特な形状に科学的な美学が施されています。基本的には長円形で、上下がほぼ切り離されるように深く切り込みが入れられています。上下の部分にはクリームが詰められ、口部分にはイチゴがあしらわれています。このデザインは、見た目にもインパクトがあり、食べる楽しさも感じさせてくれます。

• - 本体：シュー生地（上部／下部に分かれる）
• - 尾部：シュー生地
• - 胸鰭：シュー生地
• - 目：チョコレートと生クリーム
• - 上層クリーム：生クリーム
• - 口：イチゴ（半裁）
• - 下層クリーム：カスタードクリーム
• - 尾部内クリーム：カスタードクリーム

これらの構成によって、シャチボンは見た目だけでなく味わいや食感でも楽しませてくれるスイーツとなっています。

名古屋城パフェ

2007年に「カフェ アローム」がオープンした際には、名古屋城をモチーフにしたパフェも販売されました。このパフェにシャチボンが2匹盛り付けられており、パイ、アイスクリーム、フルーツとともに提供されるものでした。特にインスタグラムなどのSNSでもその美しさが話題になり、一時は大人気でしたが、現在は販売を終了しています。

影響と文化

シャチボンの影響は名古屋を超え、他の地域にも広がっています。千葉県柏市にある洋菓子店「カフェ・ド・ジュアン」では、かしわのキャラクター「カシワニ」をモチーフにしたシュークリームが誕生しました。これは、店主がシャチボンからインスピレーションを受けたものです。

まとめ

シャチボンは、そのユニークなデザインと美味しさから、名古屋の伝説的なスイーツとして位置付けられています。販売が終了したときの悲しみを乗り越え、2022年に11年ぶりの復活を果たしたこの鯱形シュークリームは、今も多くのファンに愛され続けています。気になる方は、ぜひ一度味わってみてください。

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