ショムニ

ショムニ

『ショムニ』は、安田弘之による漫画作品であり、それを原作としたテレビドラマや映画も制作され、人気を博しました。原作漫画は、『モーニング』（講談社）にて公募最優秀作として読み切り掲載後、長期連載されました。単行本は全7巻、文庫本は全3巻が刊行されています。

概要

物語は、とある大手の商事会社に存在する、いわゆる「落ちこぼれ」社員たちが集められた部署、庶務二課（通称ショムニ）を舞台に、そこに所属するOLたちの人間模様をコミカルに描いています。2013年現在、版権は講談社からメディアファクトリーに移っています。

登場人物

塚原佐和子：本来の主人公。温和な性格ですが、地味で人付き合いが苦手なため、ショムニに左遷されます。ドラマ版では上司との不倫が原因で左遷された設定。ショムニで坪井千夏に鍛えられます。踊りの才能があるという設定も。
坪井千夏：ショムニのリーダー的存在。口が悪く女王様気質で、多くの男性を「下僕」のように扱っています。過去には想像もできないほど大人しい少女だった過去があり、両親とは勘当状態。ドラマ版と映画版では主人公として描かれています。
日向知世：ショムニのメンバー。フルネームを正しく読める人は少ないという設定。仕事はできますが、一言多い性格が災いして上司と衝突し、ショムニに異動となります。人事部の陰謀によりショムニを去ります。ドラマ版では名前が日向リエに変更され、無口で無表情なキャラクターに設定変更。占い師の副業を持つという設定が追加されています。
宮下佳奈：ショムニのメンバー。愛称は「カナさん」。1年で2回離婚歴があるという魔性の女性。美人で男性に人気があり、会社の上司とも関係を持っています。血を見ると逆上するという一面も。占いや宝石鑑定のスキルも持ち合わせています。
徳永佳代子：ショムニのメンバー。関西弁でよく喋り、嘘をつくこともあります。彼氏持ち。ドラマ版では名前が徳永あずさに変更され、ショムニの最年長として、誰が何をするかを決める役割を担っています。関西弁ではなく標準語を話します。
丸橋由美子：人事部の陰謀で日向知世の代わりにショムニに配属されます。メルヘンチックなグッズで机の周りを飾り付けています。後に特務課の穴熊と交際することに。ドラマ版では名前が丸橋梅に変更され、頭脳明晰で、坪井千夏とは幼馴染という設定です。
井上洸二：ショムニの課長。気が弱く、仕事ができないため、部下である坪井千夏にいじめられています。映画版では名前が井上洸一に変更。ドラマ版では千夏にいじめられる描写はありませんが、気が弱く仕事ができない点は共通。ショムニのデスクで猫を飼っているという設定や、毎日決まった時間に出勤・退勤する描写が追加されています。
右京友弘：東京大学卒の若手エリート社員。塚原佐和子がひそかに想いを寄せています。仕事はできますが、プライドが高く、失敗を恐れるあまり保身に走る傾向があります。資産家の母親や会社の社長、千夏などが彼の性格を直そうと試みます。

テレビドラマ

1998年より、江角マキコ主演でフジテレビでドラマ化されました。ドラマ版は、ストーリー展開や登場人物の設定が原作から大幅に変更されており、一話完結形式となっています。

映画

劇場版は1998年11月28日に公開されました。テレビドラマ版とは異なり、映画オリジナルのストーリーで、原作漫画に近い内容です。制作は松竹が単独で行い、フジテレビは関与していません。当初、主演は江角マキコが予定されていましたが、スケジュールの都合がつかず、高島礼子が主演を務めることになりました。内容は原作に忠実でしたが、テレビドラマ版の人気要素がなかったため、興行収入は振るわず、評価も高くありませんでした。

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