ショートプレート

ショートプレート：牛肉の部位

ショートプレートは、牛肉の部位の一つで、主にアメリカ合衆国で用いられる分類です。リブ（あばら肉）の下に位置するバラ肉の一部を指し、具体的には第6肋骨から第12肋骨にかけての部分を指します。

日本における分類

日本の食肉業界では、ショートプレートはトモバラを中央で分割した際の外バラに分類されます。外バラはさらに細分化され、フランク（さきにく）、ショートプレート、インサイドスカートといった部位に分けられます。

特徴と利用

ショートプレートは、一般的に表面の脂肪や筋肉間の脂肪が多い傾向にありますが、その分、肉には甘味と旨味が凝縮されています。この特徴から、ステーキ、焼肉、しゃぶしゃぶ、すきやき、バーベキュー、煮込み料理など、幅広い調理法に適しています。また、焼肉用に細分化されたカルビプレートや、スーパーパストラミ、カルビプレートアイなどの規格も開発されています。

日本では、スライスされたショートプレートが安価な牛肉として広く流通しており、牛丼チェーンや食べ放題の焼肉店などで需要が高くなっています。

アメリカにおける位置づけ

アメリカ合衆国では、かつてショートプレートはハンバーガー用の挽き肉の材料として利用されていましたが、脂肪分の多さから敬遠される傾向にありました。1970年代に日本がアメリカ合衆国からの牛肉輸入を本格化させた際、アメリカ合衆国産のショートプレートは比較的低価格な部位として扱われていました。

国際的な需要の高まり

1990年代以降、日本では牛肉の輸入自由化や円高が進み、牛丼チェーンの店舗数増加やコンビニ弁当の普及も相まって、アメリカ合衆国産ショートプレートのほとんどが日本に輸入されるようになりました。2000年代に入ると、牛丼やしゃぶしゃぶ、すきやきといった料理が日本国外でも広く普及し始め、中華人民共和国や東南アジアなどでもショートプレートの需要が高まりました。2010年代後半には、中華人民共和国と日本との間でアメリカ合衆国産ショートプレートの買い付け競争が発生する事態も生じています。

関連情報

カルビ: 焼肉の定番メニューであり、ショートプレートもカルビとして提供されることがあります。
吉野家: 牛丼チェーンの代表格であり、ショートプレートを使用した牛丼を提供しています。
* BSE問題: 牛肉の安全性に関わる問題であり、ショートプレートの流通にも影響を与えました。

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