ジャパンディスプレイ

株式会社ジャパンディスプレイについて

株式会社ジャパンディスプレイ（Japan Display Inc.、略称：JDI）は、日本の主要な液晶ディスプレイメーカーであり、主に車載用途向けの小型液晶ディスプレイを製造しています。2012年に設立された同社は、ソニー、東芝、日立の液晶ディスプレイ部門を統合する形でスタートしました。

会社の現状とシェア

2021年度のディスプレイ業界での売上高ランキングでは、JDIは世界第9位に位置し、市場シェアは約1.73%を占めています。かつてはApple社の高級スマートフォン向けの液晶パネルを多数供給していましたが、2019年以降は有機ELディスプレイの普及に伴い、液晶パネルの需要が減少し、同社の市場シェアも低下しました。2023年にはモバイル事業から撤退し、現在は車載ディスプレイや他社への技術ライセンス事業に注力しています。

経営の難況

設立当初から赤字を抱え、上場以来一度も黒字化を達成できておらず、会計問題などの内部統制上の課題も指摘されています。2018年には株価が100円を下回り、その後も経営の難しさから「ゾンビ企業」とのレッテルが貼られることになりました。2024年には株価がさらに低下し、会社の透明性や信頼性が問われています。

いちご社との関係

2019年以降、いちごアセットグループによる支援を受けて経営再建を試みており、2020年の時点で債務超過を解消しました。しかし、再び有利子負債が増加し、経営の健全性には疑問が残ります。現在は「無借金経営」を一時的に実現し、次世代OLED技術「eLEAP」の開発に期待を寄せています。

技術革新と製品展開

2024年には、次世代OLEDの量産を目指して社運を賭けた取り組みが進行中です。品質向上を図っており、車載市場やVR分野での販売増加を見込んでいます。さらには、ノートPC市場やスマートフォン市場への再参入も視野に入れており、革新的な技術を活用した製品展開が期待されています。

過去の栄光と現在の困難

創業当初はスマートフォン向け液晶のトップメーカーとして知られており、特にiPhone向けのディスプレイ供給で成功を収めました。しかし、技術革新の波に乗れず、競争が激しさを増す中で、その地位を失ってしまいました。今後は新技術の導入や新たな市場の開拓が同社の生き残りに不可欠です。

結論

株式会社ジャパンディスプレイは、多くの課題を抱えつつも、次世代技術に向けた挑戦を続けています。特に車載ディスプレイや新たな産業への進出が事業回復の鍵を握っていると言えるでしょう。これからの動向が注目されます。

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