じゃぽにか
「じゃぽにか」は、2002年に東京で結成された6人組のアート集団です。メンバーは、アルシン（有賀慎吾）、ダイスケ（鈴木大輔）、サー君（坂上卓男）、ゴロー（村山悟郎）、杉様（杉田陽平）、ともちゃん（永畑智大）で構成されています。
美術予備校で出会った彼らは、「悪ふざけやパロディ、そして軽薄なシミュラークルを撒き散らかすアート集団」を自称し、SNSと展示空間を横断する活動を展開。「炎上アート集団」「悪ノリアート集団」などと評されることもあります。彼らの活動は、現代社会における「炎上」現象をアートの文脈に取り込み、独自の視点から問い直す試みとして注目を集めています。
主な活動としては、「第17回 岡本太郎現代芸術賞」特別賞を受賞した「悪ノリSNS『芸術は炎上だ！』」があります。この作品では、コンビニを模したインスタレーション空間で、歴史的なアート作品をオマージュした制作物を展示。メンバーは、ピザで顔を隠したピザ男や、麻原彰晃、佐村河内、プッシーライオットなどの格好に扮し、パフォーマンスを行うなど、その過激な表現が話題を呼びました。
他にも、「じゃぽにかぱみゅぱみゅのじゃぽにかぱみゅぱみゅーじあむ」、「じゃぽにかの誰でもデュシャン☆」、「じゃぽにか最後の個展「普通のトモダチに戻りたい」」、「じゃぽにか国真理教 〜TAVサティアン 僕たちを追い出さないで〜」などの個展を開催しています。
アルシン（有賀慎吾）: 混沌とした世界観を表現するインスタレーション作家。会田誠にその才能を評価されています。知覚・言語・現実のオルタナティブをテーマに作品を制作しています。
ダイスケ（鈴木大輔）: ロンドンでアートを学び、帰国後はアーティスト・ランスペースを運営。日本での芸大受験経験から、アートの閉鎖的な領域に疑問を抱いています。
サー君（坂上卓男）: 美大には進学せず、飲食業で生計を立てながら、小説を執筆。アート・ルサンチマンを持つ生活者として、メンバーの自己充足的な姿勢に警鐘を鳴らしています。
ゴロー（村山悟郎）: 自己組織的に生成するプロセスやパターンを、絵画やドローイングで表現。オートポイエーシスと複雑系を用いて、生成を絵画として捉えようとしています。
杉様（杉田陽平）: マーケットでの浸透力が絶大なペインター。多くのアートコレクターに支持されています。
ともちゃん（永畑智大）: 脱力した造形による独自の作風を確立。あらゆるコンテクストを排した無差別引用を特徴としています。青梅にスタジオを構え、ライフワークとしてアート制作を行っています。
2002年、新宿美術学院油絵科で知り合ったメンバーによって結成。予備校時代は、喫煙所に集まったり、「ケチョンケチョン会」という独自の相互批評会を開いたり、新宿の街でパフォーマンスを行うなど、ユニークな活動を行っていました。
大学入学後は、「じゃぽ会」という飲み会を定期的に開催。その後、各メンバーはソロ活動を軸に実力を高め、2013年に初の個展を開催。本格的な活動をスタートさせました。2014年には、SNSの「炎上」に着目した「悪ノリSNS『芸術は炎上だ！』」が話題となり、「第17回岡本太郎現代芸術賞」特別賞を受賞しました。
この作品では、コンビニを模したインスタレーションに、歴史的なアート作品のオマージュを並べ、メンバーが様々な人物に扮してパフォーマンスを繰り広げました。この活動は賛否両論を巻き起こしましたが、後に論考を発表し、作品の意図を説明しています。
また、「友達」をテーマにした個展や、「パクリ」「コピペ」の問題を扱った個展も開催しており、現代社会における様々なテーマをアートを通して問い続けています。
美術評論家の椹木野衣は、じゃぽにかの「炎上アート」について、「ネットを通じて炎上を招いた場合、アートとなりえなくなる」と指摘。一方で、「炎上を起こせない場合は、アートの威を借りただけ」と批判しました。その上で、「ネットに固有で独自の伝播をする「炎上の批評」を獲得」する必要性を説いています。
岡本太郎現代芸術賞の審査員である和多利浩一は、「悪ノリSNS『芸術は炎上だ！』」について、「現代アートの歴史的な作品のオマージュ」であると評価しつつも、「社会で起こる事柄よりもさらに早く、社会が後ろからやってくるくらいの思想やコンセプトを狙ってほしい」と期待を寄せました。
批評家の飯盛希は、じゃぽにかの活動をベンヤミンの「暴力批判論」から考察。「じゃぽにか」の「悪ノリ」を、「タブー」を無効化し、「炎上」を受け入れる「神的暴力」であると解釈。「価値観の強要に苦しむ人々に〈赦し〉を与える存在」と評しました。
評論家の藤田直哉は、じゃぽにかの作品が「真面目に語る気をなくさせる」効果を指摘。笑いを交えた芸術活動は、「真面目/不真面目」の価値観への挑戦であると述べました。
「じゃぽにか」という名前は、レゲエバンドを組むつもりで、ジャマイカの神「ジャー」にちなんで付けられました。また、元メンバーには川田淳がいました。
「悪ノリSNS『芸術は炎上だ！』」は、Twitter上で作品販売の商談がまとまったというエピソードもあります。
「第17回 岡本太郎現代芸術賞」特別賞（2014年）
「3331 Art Fair 2015」宇宙からいいとも！賞
「じゃぽにかぱみゅぱみゅのじゃぽにかぱみゅぱみゅーじあむ」（2013年、art center ongoing）
「じゃぽにかの誰でもデュシャン☆」（2014年、ギャラリーバルコ）
「じゃぽにか最後の個展「普通のトモダチに戻りたい」」（2015年、art center ongoing）
「じゃぽにか国真理教 ~TAVサティアン 僕たちを追い出さないで~」（2016年、TAV GALLERY）
「国立国」（2007年、くにたち市民芸術小ホール）
「WATARASE ART PROJECT」（2007年、渡良瀬渓谷鉄道）
「第17回 岡本太郎現代芸術賞」（2014年、川崎市岡本太郎美術館）
「ヨコハマトリエンナーレ2014」（2014年、横浜美術館）[マイケルランディ「アートビン」参加]
「反戦 来るべき戦争に 抗うために」展（2014年、SNOW Contemporary）[ゲリラ参加]
「Frieze Art Fair London」（2014年、Regent’s Park）[”United Brothers”SNSゲリラ参加]
「3331 Art Fair 2015」（2015年、3331 Arts Chiyoda）[推薦人：市原研太郎]
「奥村直樹ノ友達展」（2016年、DESK/okumura）
数多くのイベントやトークショーにも出演しており、積極的に活動を展開しています。詳細は省略しますが、多岐にわたる分野でその存在感を示しています。
「じゃぽにか論考Ⅱ ポストメディア時代の広告化するアート」（コアマガジン社 Webマガジン「VOBO」2014年7月26日）
「じゃぽにか論考 I.2 友達アートの存在領域 ― 友達アートとは何か」（「TOCANA」2016年3月29日）
『美術手帖』や『TH/トーキング・ヘッズ叢書』など、多くの美術雑誌やメディアで紹介されています。
「じゃぽにか」は、そのユニークな活動と過激な表現によって、現代アートシーンにおいて独自の位置を確立したアート集団です。彼らの活動は、現代社会における様々な問題をアートを通して問い直し、私たちに新たな視点を提供してくれます。
彼らの今後の活躍に注目していきましょう。
概要
美術予備校で出会った彼らは、「悪ふざけやパロディ、そして軽薄なシミュラークルを撒き散らかすアート集団」を自称し、SNSと展示空間を横断する活動を展開。「炎上アート集団」「悪ノリアート集団」などと評されることもあります。彼らの活動は、現代社会における「炎上」現象をアートの文脈に取り込み、独自の視点から問い直す試みとして注目を集めています。
主な活動としては、「第17回 岡本太郎現代芸術賞」特別賞を受賞した「悪ノリSNS『芸術は炎上だ！』」があります。この作品では、コンビニを模したインスタレーション空間で、歴史的なアート作品をオマージュした制作物を展示。メンバーは、ピザで顔を隠したピザ男や、麻原彰晃、佐村河内、プッシーライオットなどの格好に扮し、パフォーマンスを行うなど、その過激な表現が話題を呼びました。
他にも、「じゃぽにかぱみゅぱみゅのじゃぽにかぱみゅぱみゅーじあむ」、「じゃぽにかの誰でもデュシャン☆」、「じゃぽにか最後の個展「普通のトモダチに戻りたい」」、「じゃぽにか国真理教 〜TAVサティアン 僕たちを追い出さないで〜」などの個展を開催しています。
メンバー紹介
アルシン（有賀慎吾）: 混沌とした世界観を表現するインスタレーション作家。会田誠にその才能を評価されています。知覚・言語・現実のオルタナティブをテーマに作品を制作しています。
ダイスケ（鈴木大輔）: ロンドンでアートを学び、帰国後はアーティスト・ランスペースを運営。日本での芸大受験経験から、アートの閉鎖的な領域に疑問を抱いています。
サー君（坂上卓男）: 美大には進学せず、飲食業で生計を立てながら、小説を執筆。アート・ルサンチマンを持つ生活者として、メンバーの自己充足的な姿勢に警鐘を鳴らしています。
ゴロー（村山悟郎）: 自己組織的に生成するプロセスやパターンを、絵画やドローイングで表現。オートポイエーシスと複雑系を用いて、生成を絵画として捉えようとしています。
杉様（杉田陽平）: マーケットでの浸透力が絶大なペインター。多くのアートコレクターに支持されています。
ともちゃん（永畑智大）: 脱力した造形による独自の作風を確立。あらゆるコンテクストを排した無差別引用を特徴としています。青梅にスタジオを構え、ライフワークとしてアート制作を行っています。
来歴
2002年、新宿美術学院油絵科で知り合ったメンバーによって結成。予備校時代は、喫煙所に集まったり、「ケチョンケチョン会」という独自の相互批評会を開いたり、新宿の街でパフォーマンスを行うなど、ユニークな活動を行っていました。
大学入学後は、「じゃぽ会」という飲み会を定期的に開催。その後、各メンバーはソロ活動を軸に実力を高め、2013年に初の個展を開催。本格的な活動をスタートさせました。2014年には、SNSの「炎上」に着目した「悪ノリSNS『芸術は炎上だ！』」が話題となり、「第17回岡本太郎現代芸術賞」特別賞を受賞しました。
この作品では、コンビニを模したインスタレーションに、歴史的なアート作品のオマージュを並べ、メンバーが様々な人物に扮してパフォーマンスを繰り広げました。この活動は賛否両論を巻き起こしましたが、後に論考を発表し、作品の意図を説明しています。
また、「友達」をテーマにした個展や、「パクリ」「コピペ」の問題を扱った個展も開催しており、現代社会における様々なテーマをアートを通して問い続けています。
活動に対する反響
美術評論家の椹木野衣は、じゃぽにかの「炎上アート」について、「ネットを通じて炎上を招いた場合、アートとなりえなくなる」と指摘。一方で、「炎上を起こせない場合は、アートの威を借りただけ」と批判しました。その上で、「ネットに固有で独自の伝播をする「炎上の批評」を獲得」する必要性を説いています。
岡本太郎現代芸術賞の審査員である和多利浩一は、「悪ノリSNS『芸術は炎上だ！』」について、「現代アートの歴史的な作品のオマージュ」であると評価しつつも、「社会で起こる事柄よりもさらに早く、社会が後ろからやってくるくらいの思想やコンセプトを狙ってほしい」と期待を寄せました。
批評家の飯盛希は、じゃぽにかの活動をベンヤミンの「暴力批判論」から考察。「じゃぽにか」の「悪ノリ」を、「タブー」を無効化し、「炎上」を受け入れる「神的暴力」であると解釈。「価値観の強要に苦しむ人々に〈赦し〉を与える存在」と評しました。
評論家の藤田直哉は、じゃぽにかの作品が「真面目に語る気をなくさせる」効果を指摘。笑いを交えた芸術活動は、「真面目/不真面目」の価値観への挑戦であると述べました。
エピソード
「じゃぽにか」という名前は、レゲエバンドを組むつもりで、ジャマイカの神「ジャー」にちなんで付けられました。また、元メンバーには川田淳がいました。
「悪ノリSNS『芸術は炎上だ！』」は、Twitter上で作品販売の商談がまとまったというエピソードもあります。
受賞歴
「第17回 岡本太郎現代芸術賞」特別賞（2014年）
「3331 Art Fair 2015」宇宙からいいとも！賞
個展
「じゃぽにかぱみゅぱみゅのじゃぽにかぱみゅぱみゅーじあむ」（2013年、art center ongoing）
「じゃぽにかの誰でもデュシャン☆」（2014年、ギャラリーバルコ）
「じゃぽにか最後の個展「普通のトモダチに戻りたい」」（2015年、art center ongoing）
「じゃぽにか国真理教 ~TAVサティアン 僕たちを追い出さないで~」（2016年、TAV GALLERY）
グループ展・アートフェア等
「国立国」（2007年、くにたち市民芸術小ホール）
「WATARASE ART PROJECT」（2007年、渡良瀬渓谷鉄道）
「第17回 岡本太郎現代芸術賞」（2014年、川崎市岡本太郎美術館）
「ヨコハマトリエンナーレ2014」（2014年、横浜美術館）[マイケルランディ「アートビン」参加]
「反戦 来るべき戦争に 抗うために」展（2014年、SNOW Contemporary）[ゲリラ参加]
「Frieze Art Fair London」（2014年、Regent’s Park）[”United Brothers”SNSゲリラ参加]
「3331 Art Fair 2015」（2015年、3331 Arts Chiyoda）[推薦人：市原研太郎]
「奥村直樹ノ友達展」（2016年、DESK/okumura）
イベント出演
数多くのイベントやトークショーにも出演しており、積極的に活動を展開しています。詳細は省略しますが、多岐にわたる分野でその存在感を示しています。
論考
「じゃぽにか論考Ⅱ ポストメディア時代の広告化するアート」（コアマガジン社 Webマガジン「VOBO」2014年7月26日）
「じゃぽにか論考 I.2 友達アートの存在領域 ― 友達アートとは何か」（「TOCANA」2016年3月29日）
メディア掲載
『美術手帖』や『TH/トーキング・ヘッズ叢書』など、多くの美術雑誌やメディアで紹介されています。
「じゃぽにか」は、そのユニークな活動と過激な表現によって、現代アートシーンにおいて独自の位置を確立したアート集団です。彼らの活動は、現代社会における様々な問題をアートを通して問い直し、私たちに新たな視点を提供してくれます。
彼らの今後の活躍に注目していきましょう。
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