ジョアン・ロウレンソ

ジョアン・ロウレンソ：アンゴラを率いる政治家

ジョアン・マヌエル・ゴンサルベス・ロウレンソ（João Manuel Gonçalves Lourenço）は、1954年3月5日生まれのアンゴラの政治家です。彼はアンゴラ解放人民運動（MPLA）において重要な役割を果たし、幹事長（1998年 - 2003年）や国防相（2014年 - 2017年）を歴任しました。2017年9月26日からは大統領として、2018年9月からはMPLAの議長としてアンゴラを率いています。さらに、2025年度にはアフリカ連合の総会議長に就任することが決定しています。

生い立ちと初期のキャリア

ロウレンソは政治活動に熱心な家庭に育ちました。彼の父、セケイラ・ジョアン・ロウレンソは看護師であり、ポルトガル植民地時代には非合法な政治活動のために投獄された経験を持っています。母、ジョゼファ・ゴンサルベス・ロウレンソは仕立て屋として働いていました。ロウレンソはビエ州とルアンダで教育を受け、ルアンダ産業研究所に進学しました。植民地解放闘争に参加し、アンゴラ内戦ではMPLAに身を投じました。彼は砲術指導を担当し、MPLAの政治局員に昇進しました。

1978年、ロウレンソはソビエト連邦のレーニン高等学院に留学し、軍事教練を受けるとともに歴史学で博士号を取得しました。1982年にアンゴラに帰国後、1984年にはモシコ州知事に任命され、政治家としてのキャリアをスタートさせました。

政治家としての歩み

政界入り後、ロウレンソはMPLAの将校としてゲリラ兵の規律を保つ役割を担いました。モシコ州知事就任後は、MPLAの同州政治局員、第3軍政管区軍事評議会議長、MPLA第一書記、ベンゲラ州行政長官といった要職を歴任し、着実に昇進を重ねました。1992年から1997年まではMPLA情報担当書記、1993年から1998年まではMPLA国会議員団団長を務めました。

1998年12月12日、ロウレンソはMPLAの幹事長に選出されました。これは当時のジョゼ・エドゥアルド・ドス・サントス大統領の意向によるもので、ロウレンソはドス・サントスの後継候補として注目されるようになりました。しかし、2001年にドス・サントスが大統領再選を目指さないと発言した際、ロウレンソが公然と大統領候補への意欲を示したことが、後に彼を難しい立場に置くことになります。ドス・サントスの発言は政敵をあぶりだすためのものであり、実際には退任の意思がなかったため、ロウレンソは党内で微妙な立場に立たされることになりました。2003年12月の党大会では、ロウレンソに代わってジュリアン・マテウス・パウロが幹事長に就任しました。

その後、ロウレンソは国会第一副議長（2003年 - 2014年）を経て、2014年4月に国防相、2016年8月にMPLA副議長に任命されました。2017年8月の国民議会選挙ではMPLAの筆頭候補となり、MPLAが220議席中150議席を獲得したことで、ロウレンソの大統領当選が確定しました。2022年8月24日に行われた国民議会選挙では、MPLAは議席を減らしたものの124議席を獲得し、ロウレンソは再選を果たしました。

2023年10月には、野党であるアンゴラ全面独立民族同盟（UNITA）から罷免動議が議会に提出されましたが、弾劾に必要な賛成票数を確保できなかったため否決されました。

アフリカ連合総会議長

2025年2月15日には、アフリカ連合の総会議長に選出され、1年間務める予定です。

人物像

妻のアナ・アフォンソ・ディアス・ロウレンソはMPLA所属の国会議員であり、元企画相です。彼女は2016年10月まで、ワシントンD.C.の世界銀行で役職を務めていました。ロウレンソ夫妻には6人の子供がおり、全員がMPLAの活動家として活動しています。

ロウレンソは母語のポルトガル語に加えて、ロシア語、スペイン語、英語も堪能です。

ジョアン・ロウレンソは、アンゴラの政治において重要な役割を果たし続けている人物であり、今後の活躍が期待されています。

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