ジョゼ・エドゥアルド・ドス・サントス

ジョゼ・エドゥアルド・ドス・サントス（José Eduardo dos Santos、1942年8月28日 - 2022年7月8日）は、アンゴラの軍人、政治家、革命家であり、第2代アンゴラ共和国大統領を務めました。アンゴラ解放人民運動（MPLA）の議長も務めました。

1979年にアゴスティニョ・ネト初代大統領の後を継いで大統領に就任し、2017年9月に退任するまで38年間もの長期政権を維持しました。これはアフリカでは赤道ギニアのテオドロ・オビアン・ンゲマ大統領に次ぐ長さでした。

生い立ちと政治活動

ドス・サントスは、建設労働者の息子として生まれました。1956年に学生時代にアンゴラ解放人民運動（MPLA）に加わりました。しかし、宗主国ポルトガルの弾圧を逃れるため、1961年にフランスに亡命し、後にコンゴ共和国に逃れました。この頃からMPLA内で頭角を現し、副議長に就任しました。亡命生活のため学業を中断していましたが、ソ連に移り、アゼルバイジャン石油化学大学（現・アゼルバイジャン国立石油アカデミー）でエンジニアリングの学位を取得しました。

1970年にアンゴラに帰国し、MPLAの軍事部門であるアンゴラ解放人民軍（EPLA）に所属し、MPLAの第二政治・軍管区ラジオ送信担当に就任、アンゴラ独立戦争に参加しました。1974年には第二管区電気通信担当副司令官となり、同時にMPLA外交担当コーディネーターに就任しました。

アンゴラ内戦と大統領就任

1975年にアンゴラはポルトガルからの独立を果たしましたが、アンゴラは内戦に突入しました。アンゴラ内戦初期には議長兼外交政策担当書記となり、1976年に書記を交代しました。

1979年9月、アンゴラ初代大統領のアゴスティニョ・ネトが死去すると、後継として大統領に就任しました。

長期政権とその後

ドス・サントスは大統領として、アンゴラの内戦終結と国家再建に尽力しました。しかし、その長期政権は、汚職や人権侵害といった問題も指摘されました。

2013年12月15日には、娘が企画したマライア・キャリーのコンサートに出席し、マライア・キャリーの高額な出演料とともに話題になりました。

2016年3月、73歳の時に2年後の政界引退を表明し、2017年8月23日に実施された大統領選挙には出馬せず、9月26日に大統領を退任しました。

2020年1月、ICIJは、アフリカ一の女性富豪と言われる長女のイサベルが公共事業を受注したり、租税を回避して巨額の富を得た疑いがあると報じました。

2021年9月14日、滞在先のバルセロナから2年数か月ぶりに帰国しました。

2022年7月8日、心不全のためスペイン・バルセロナの病院で死去しました。79歳でした。翌9日、国際連合安全保障理事会はドス・サントスと銃撃されて亡くなった安倍晋三を追悼し、1分間黙祷しました。

ドス・サントスの死は、アンゴラだけでなく国際社会にとっても大きな損失であり、彼の遺産は今後も議論され続けるでしょう。

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