ジーコサッカー

ジーコサッカーの概要

『ジーコサッカー』（ZICO Soccer）は、エレクトロニック・アーツ・ビクターが1994年3月4日にスーパーファミコン用ソフトとしてリリースしたゲームです。元サッカー日本代表監督であり、当時はJリーグの鹿島アントラーズに在籍していたジーコが監修を手掛けています。ゲームソフトの説明書冒頭には、ジーコからのメッセージが掲載されています。

ゲーム内容

本作では、24か国の代表チームと鹿島アントラーズを含む計25チームがプレイ可能です。特筆すべきは、操作体系が通常のサッカーゲームとは異なり、選手を直接動かすのではなく、フィールド上のカーソルを操作して選手を誘導するという独特の方式を採用しています。このため、スーパーファミコンマウスに対応しているものの、十字キーによる操作は非常に難しいとされています。対戦モードが存在しないため、他のスポーツゲームにはない珍しさも感じられます。

さらに、実名を使用できたのは鹿島アントラーズの選手のみで、他の国の代表選手たちはすべて仮名で表示されています。このような状況から、ワールドトーナメントにクラブチームであるアントラーズが参戦している設定に対する突っ込みも見られ、中には滑稽さを感じるプレイヤーもいたようです。

評価と反響

ゲームの簡易な操作体系と、部分的な実名使用による評価が影響し、本作の販売成績は芳しくありませんでした。そのため、ゲーム内容よりも「スーパーファミコン後期の代表的な投げ売りタイトル」として知られるようになりました。実際、ある小売店では新品のソフトが10円で売られていることもあり、ゲーム雑誌『ゲームラボ』ではこの現象を踏まえて「激安ZICO」というコーナーが設けられていたほどです。

本作には、ある興味深いエピソードも存在します。それは、本作のカートリッジが非公認ゲーム、特に『SM調教師瞳』に流用されたことです。長らく、こちらのゲームで「投げ売りの中古カセットROMを買い占めて転用した」とされていましたが、後のインタビューにおいて、実際には改造に使われたカートリッジは店を通じて購入した新品の在庫だったことが明かされています。

まとめ

『ジーコサッカー』は、独特の操作体系や実名使用の制約によって評価が分かれたゲームであり、結果としてスーパーファミコンのゲーム史において特異な存在感を放つことになりました。このような経緯も含め、ゲーム業界の一風変わったエピソードとして今なお語り継がれています。

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