スウィート・ロード

スウィート・ロード：ゲームと家族の絆の冒険

1989年製作のアメリカ映画『スウィート・ロード』（原題：The Wizard）は、心に傷を抱えた少年少女たちが、テレビゲームを通じて家族や友人との絆を取り戻していく姿を描いたロードムービーです。日本では1992年に劇場公開されましたが、現在はVHSは絶版、DVDも未発売という状況です。（アメリカではDVDが発売されています）

物語：カリフォルニアへの旅

主人公は、母親と義父と共に暮らす少年ジミー。彼は愛する妹を亡くした悲しみから心を閉ざし、言葉少なになり、たびたび家を抜け出します。彼の口から発せられるのは「カリフォルニア」という言葉のみ。理解に苦しむ義父は、ジミーを自閉症患者の施設に送ってしまいます。

ジミーの異母兄コーリーは、実父サムと反抗期の兄ニックと共に暮らしていましたが、ジミーが施設に入れられたことを知り、激怒。施設からジミーを連れ出し、ジミーが望むカリフォルニアへと向かう旅に出ます。

ジミーの脱走を知った母と義父は、脱走者専門の賞金稼ぎパトナムにジミーの保護を依頼します。一方、パトナムを快く思わないサムとニックは、彼らよりも先にジミーとコーリーを見つけようと、二人の後を追いかけます。

道中、ジミーとコーリーは、同じく家出した少女ヘイリーと出会います。そこでジミーはアーケードゲーム「ダブルドラゴン」で驚くべき才能を見せます。その才能に気づいたコーリーとヘイリーは、ジミーをカリフォルニアで開催されるゲームトーナメント「ビデオ・ハルマゲドン」に参加させることを決意します。

ゲームと友情、そして家族

三人はアーケードゲームで旅費を稼ぎながらカリフォルニアを目指します。旅の途中で、彼らは凄腕の少年ゲームマスター、ルーカスと出会います。ルーカスもまた「ビデオ・ハルマゲドン」に出場するつもりでした。ジミーはルーカスに勝つことができるのか？サムとニックは子供たちを見つけられるのか？そして、家族の絆は取り戻せるのか？

本作は、単なるロードムービーにとどまらず、家族の葛藤、友情、そして成長という普遍的なテーマを、コミカルでテンポの良い展開で描き出しています。

ゲームの存在感

任天堂がスポンサーとして参加した本作には、ファミコン、アーケードゲームなど、数多くのゲームが登場します。特に「ビデオ・ハルマゲドン」の最終ラウンドで使用されるスーパーマリオブラザーズ3は、日本では既に発売されていましたが、アメリカでは当時未発売だったため、本作がそのプレイ風景を世界に先駆けて公開することになりました。

登場するゲームは、
ファミリーコンピュータ
ダブルドラゴン
ロックマン2 Dr.ワイリーの謎
パワーグローブ
ハイウェイスター
忍者龍剣伝
* スーパーマリオブラザーズ3
などです。

忘れられた名作

『スウィート・ロード』は、家族の絆、友情、そしてゲームを通して成長していく少年少女の姿を描いた、忘れがたい作品です。VHS版は絶版、DVD化も未定という現状は残念ですが、機会があればぜひ鑑賞し、その魅力を再確認していただきたい作品です。

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