スギヨ

株式会社スギヨ：革新と伝統が織りなす食品メーカー

株式会社スギヨは、石川県七尾市に本社を構える、練り製品を中心とした食品加工メーカーです。創業から100年以上の歴史を持ち、常に新しい食の提案を追求し続けています。

創業と革新の歴史

スギヨの原点は、七尾市作事町で杉野屋与作が始めた練物屋「杉与商店」に遡ります。1907年（明治40年）には、ちくわの製造・販売を開始。そして、1972年（昭和47年）に発売された「珍味かまぼこ・かにあし」（現在のカニカマ）は、同社の名を一躍有名にしました。この製品は、人工クラゲの開発過程で偶然生まれたもので、その発想の柔軟性と技術力が今日のスギヨを築き上げてきたと言えるでしょう。

ビタミンちくわ：長野県のソウルフード

スギヨのもう一つの代表的な商品が、1952年（昭和27年）に発売された「ビタミンちくわ」です。スケトウダラやサメのすり身を原料とし、ビタミンA、Eを豊富に含んでいます。特に長野県では、その高い栄養価と独特の風味から、ソウルフードとして広く親しまれています。地元北陸での販売量は3割程度に留まり、残りの7割は長野県を中心とした地域で消費されているという事実は、ビタミンちくわが長野県民に深く愛されている証と言えるでしょう。カレーの具材や唐揚げなど、多様な調理法で楽しまれています。

グローバル展開と事業拡大

スギヨは、国内市場にとどまらず、海外へも積極的に展開しています。1986年（昭和62年）には、米国ワシントン州に現地法人を設立し、グローバルな事業展開を加速させました。また、2016年（平成28年）には、新潟市のマルタ食品株式会社を子会社化するなど、事業領域の拡大にも注力しています。2024年（令和6年）の能登半島地震では工場が被災しましたが、早期の復旧を果たし、製造を再開しました。

多様な事業拠点

本社・工場のある石川県七尾市をはじめ、東京、名古屋、大阪など全国に支店や営業所を展開しています。また、石川県内には北陸工場と商業団地工場、その他北海道小樽市、茨城県坂東市、山口県下関市にも工場を構え、各地のニーズに合わせた製品を供給しています。

スギヨ仮面：食育活動への取り組み

スギヨは、食育活動にも熱心に取り組んでいます。その象徴が、食育キャラクター「スギヨ仮面」です。カニカマをモチーフにしたユニークな外見で、石川県内の幼稚園や小学校を訪問し、紙芝居などを通じて子供たちに食の大切さを伝えています。悪役のイヤヨヤダーと戦うスギヨ仮面の姿は、子供たちに大人気です。もともとラジオ番組から生まれたキャラクターですが、メソポ田宮文明氏によってキャラクター化され、スギヨの食育活動に貢献しています。

未来への挑戦

株式会社スギヨは、伝統を守りながらも、常に新しい挑戦を続けています。カニカマやビタミンちくわといったロングセラー商品を大切にしつつ、新たな製品の開発や食育活動を通じて、食文化の発展に貢献していくことでしょう。これからも、スギヨの革新的な取り組みから目が離せません。

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