スタジアム974

スタジアム974について

スタジアム974（アラビア語: استاد 974‎、英語：Stadium 974）は、カタールのドーハ南部にあるラス・アブー・アブード地区に建設された特異な仮設スタジアムです。このスタジアムは、2022 FIFAワールドカップの会場の一つとして利用されました。ドーハ港に近い海岸沿いに位置し、ワールドカップの8会場の中では7番目に完成したのが特徴です。

このスタジアムのユニークな点は、その建設時に「ラス・アブ・アブード・スタジアム」と呼ばれていたことと、すべての躯体部材が再使用可能であることです。このスタジアムは、過去の建物などから集めた再生鋼材と、輸送用のコンテナをブロック状に組み合わせて構築されています。これにより、まるで「レゴブロックで作られたスタジアム」のように、容易に組み立てたり解体したりできる作りになっています。

「974」という名称には、カタールの国番号に加え、スタジアム建設に使用されたコンテナの個数も示されています。このように、スタジアム974は持続可能性と環境への配慮を考慮した設計となっており、スポーツイベントのためのスタジアムが容易にリサイクル可能であることを示す一例です。

スタジアム974のこけら落としとして行われたのは、2021 FIFAアラブカップのグループリーグ、準決勝、および3位決定戦を含む重要な試合です。これによって、スタジアムは正式にその役割を果たし、ワールドカップ本大会の開催メンバーとなりました。

2022 FIFAワールドカップでは、多くの試合がこのスタジアムで行われ、選手たちと観客に忘れられない体験を提供しました。大会後、このスタジアムは解体され、その部材は他の場所での建設資材として再利用される予定です。実際に、2022年12月5日に行われた本大会の最終戦、ブラジル対韓国戦が終わった翌日には、すぐに解体工事が始まるという迅速な対応がなされました。

スタジアム974は、その特異な設計と持続可能な理念で、現代のスタジアム建設の新たな方向性を示すものとなっています。また、記憶に残るワールドカップの一部として、多くのサッカーファンにその存在を知らしめました。

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