スバル・エクシーガ

エクシーガ（EXIGA）

エクシーガは、スバルが製造した7人乗り乗用車であり、その生産は群馬県太田市の矢島工場で行われました。2008年6月にデビューし、2015年3月まで製造されていました。このモデルは、スバル独自の技術を活かしながら、ファミリー向けの多人数乗り車として開発されました。そして、2015年4月には、ミニバンからおよそ路線変更を行ったクロスオーバーSUVモデル「エクシーガ クロスオーバー7」が登場し、2018年まで販売されました。

エクシーガの開発背景

スバルは過去にドミンゴやトラヴィックといった7人乗りの車種を展開していましたが、2004年にトラヴィックが販売中止となって以来、日本国内では約3年半の空白期間がありました。このため、スバルは新たに多人数乗りの車両を自社で開発する必要性を感じていました。コンセプトカーを何度も提案し、水平対向エンジンやAWD（全輪駆動）などの特長を持つエクシーガが誕生しました。

エクシーガの開発は、ワゴン作りで培ってきたノウハウを活かしつつ、乗員全員が快適に過ごせる空間の確保と、走行性能の向上が目指されました。新たに採用されたSIシャシー（SUBARU Intelligent-Chassis）により、操縦安定性や静粛性、優れた乗り心地を実現しました。

エクシーガの特長

エクシーガは、スタイリッシュなデザインと高い居住性を兼ね備えた車両で、特に「シアターシートレイアウト」が特徴です。これにより、フロントからサードシートまでの着座位置が徐々に高く設定され、どの席からでも見晴らしが良い設計となっています。また、オプションでパノラミック・ガラスルーフが用意され、開放感溢れるインテリアが特徴でした。

パワートレインは、2.0Lの自然吸気エンジンと2.0Lターボエンジンの2種類が用意され、特にターボモデルは225psの出力を誇ります。トランスミッションは、NAモデルには4速AT、ターボモデルには5速ATが組み合わされており、さらにオプションでMTも設定される予定でしたが、最終的にはMTが廃止されています。

国内外での販売

初期は日本市場のみで販売されていましたが、2009年11月からオーストラリア市場向けに「リバティ・エクシーガ」という名称で登場しました。このモデルは、海外向けには日産やトライベッカなどといった他のスバル車とともに販売されました。また、エクシーガには約50%の部品がレガシィと共通していることも特記すべき点です。エクシーガはその後に行われた年次改良によって、徐々に売上が回復し始めました。

エクシーガとクロスオーバー7への移行

2015年4月には、エクシーガのラインアップの一部として、クロスオーバーSUVモデルの「エクシーガ クロスオーバー7」が登場しました。このモデルは、SUVの特性を存分に生かしたデザイン変更が行われ、最低地上高の引き上げや各部に施されたクラッディングが特徴的です。

内装では、タン色のレザーとブルーグリーンのステッチが施されるなど、より高級感を感じさせる仕上がりとなっています。また、EyeSightを標準装備として採用し、安全性能の向上にも寄与しています。このようにエクシーガは、製品としての進化を続けた結果、2018年3月に販売を終了しました。

車名の由来

車名の「エクシーガ（EXIGA）」は、exciting（心躍る）やactive（活動的）といった言葉を基にした造語であり、スバルの理念が込められています。エクシーガは、その名称の通り、様々なシチュエーションに対応し、楽しいドライブ体験を提供することが重要視されていました。

このようにエクシーガは、スバルの新たな挑戦の一つとして、多くのファンに支持された車両でした。その後も、クロスオーバーSUV「エクシーガ クロスオーバー7」として、スバルのラインアップにおける重要な位置を占めていました。

もう一度検索