スマイルドラッグ

株式会社スマイルドラッグ：東京都心部を席巻したドラッグストアチェーンの歴史

株式会社スマイルドラッグは、東京都心部を中心に、ドラッグストアと調剤薬局を展開していた企業です。店舗名は「ドラッグストアスマイル」として親しまれていました。

その歴史は長く、1935年1月、合資会社吉岡商店として創業に遡ります。その後、1969年3月に株式会社ヨシオカ・サンテに改組し、「サンテドラッグ」のブランドでチェーン展開を開始。着実に事業を拡大していきました。

成長の大きな転機となったのは、積極的なM&A戦略です。京浜地区の中堅ドラッグストアチェーンを次々と傘下に収めることで、短期間で事業規模を飛躍的に拡大しました。

2003年3月には富士薬品グループに参加し、更なる発展の基盤を築きます。同年4月には社名をサンテ・ドラッグに変更。同年12月には日進商会及び日進産商株式会社からドラッグストア、調剤薬局事業を譲受するなど、成長を続けるための戦略的な買収を積極的に行いました。

2005年1月には、現在の社名である株式会社スマイルドラッグへと社名変更。同年8月には株式会社ハマドラッグからドラッグストアを譲り受け、更なる店舗網の拡大を図りました。2006年3月には株式会社オオタ・ドラッグとの統合を行い、スマイルドラッグというブランドを統一しました。

その後も、2007年7月には株式会社筑波薬品からドラッグストア事業を譲受するなど、積極的な事業拡大を継続。2014年4月には株式会社ドラッグ・オゾンとの合併を経て、事業規模をさらに拡大し、関東地方における有力なドラッグストアチェーンとしての地位を確立しました。

2016年7月1日時点では、147店舗（調剤薬局を含む）を展開。特徴として、ほとんどが100平米未満の都市型店舗であることが挙げられます。これは、都心部という限られた土地の中で効率的な店舗運営を行っていたことを示唆しています。

しかし、2020年3月、株式会社スマイルドラッグの権利義務は富士薬品に承継され、スマイルドラッグは解散しました。長い歴史と積極的な経営戦略で成長を遂げたスマイルドラッグは、日本のドラッグストア業界に大きな足跡を残しました。

事業展開地域:

東京都
神奈川県
千葉県
埼玉県

関連事項:

* 日本チェーンドラッグストア協会

スマイルドラッグの成長は、M&A戦略の成功例として、また、都市型ドラッグストアの経営モデルの一つの成功例として、経営学や経済学の分野においても研究対象となる可能性があります。その歴史は、日本のドラッグストア業界の変遷を理解する上で重要な要素となります。

もう一度検索