スンバ島

スンバ島：知られざるインドネシアの秘境

スンバ島は、インドネシアの小スンダ列島に位置する島で、その旧称「サンダルウッド島」が示すように、かつては白檀の産地として知られていました。地理的には、北にフローレス島、東にサヴ海、南と西にはインド洋が広がっています。東ヌサ・トゥンガラ州に属し、面積は約11,153平方キロメートル、人口は35万から42.5万人と推定されています。

地形と気候

島内は山がちですが、際立った高山はなく、最高峰はワンガメティ山の1,225メートルです。主要な都市は北海岸に位置するワインガプです。気候はサバナ気候に属し、12月から4月にかけてが雨季、5月から11月が乾季となります。かつては豊かな森林に覆われていましたが、過放牧や野焼きの影響で森林被覆率はわずか10%程度にまで減少しています。

歴史

植民地化以前のスンバ島には、いくつかの小集団が分かれて居住しており、その一部はマジャパヒト王国と従属関係にあったと考えられています。1522年にヨーロッパ人が初めて到達し、1866年にはオランダ領東インドに組み込まれましたが、オランダによる直接支配は20世紀に入るまで行われませんでした。

文化と宗教

スンバ島の主要な言語はオーストロネシア語族のスンバ語です。宗教は、土着のアニミズムであるマラプ教が25〜30%を占め、残りの大半はキリスト教徒です。スンナ派イスラム教徒は少数で、主に海岸地域に居住しています。精霊「マラプ」を信仰するアニミズムの文化は、今も島の生活に深く根付いています。

巨石墳墓

スンバ島の特徴的な文化の一つに、各地に点在する巨石墳墓があります。これらは現在でも伝統的な手法で造り続けられており、地域によって形状は様々です。墓石の大きさ、彫刻の有無、立地場所など、村ごとに異なる特徴が見られます。最大のものでは長さ5メートルにも及ぶ墓石も存在します。

スンバ島を舞台にした作品

近年では、モーリー・スリヤ監督の映画『マルリナの明日』の舞台としても知られるようになりました。この映画は、スンバ島の独特な風景と文化を背景に、力強い女性の物語を描いています。

スンバ島は、その美しい自然と独特な文化が融合した、まさに知られざるインドネシアの秘境と言えるでしょう。

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