スーパーファミスタ

スーパーファミスタ

`スーパーファミスタ`（Super Famista）は、1992年3月27日にナムコ（現在のバンダイナムコエンターテインメント）からリリースされたスーパーファミコン（SFC）用の野球ゲームです。本作はシリーズの第一弾であり、その後1996年までに計5作が発売されることになります。

概要

日本版

本作は日本野球機構（NPB）からの正式なライセンスを受けており、球団名や選手名が実名で使用されるようになりました。これはシリーズ初の試みであり、実名の使用は『プロ野球ワールドスタジアム』（1988年）以来のことでした。選手名については最大5文字の平仮名または片仮名で表記され、一部の外国人選手は完全に再現されない場合もありました。例えば、阪神のパチョレックが「パチョレク」と表記されるなど、工夫がなされています。

また、画面構成が変更され、一塁と三塁を小窓で表示する新しい形式が導入されました。試合開始時の演出も工夫されており、守備側の選手がポジションに就く映像からスコアボードにズームアップする展開が採用されました。バッティング操作の改善により、バントが新たなボタン操作で簡単に行えるようになりました。

選手のグラフィックも向上し、多彩なフォームが採用されています。トルネード投法をはじめ、新しいスタイルの投手や打者のフォームが搭載され、ゲームの体験が豊かにされています。ただし、サイドスローは廃止されています。

北米版

北米向けには『SUPER BATTER UP』というタイトルで発売され、メジャーリーグベースボール公認版としての位置づけがなされました。このバージョンでは、キャラクターが現実に近い八頭身に変更され、試合開始前に国歌が演奏されるシーンも追加されています。ゲームの基本的な内容は日本版に準じていますが、キャラクターの表現や演出にいくつかの変更が加えられています。

ゲームモード

公式戦モード

従来の1人用プレーと2人用プレーが統合されており、1人用は勝ち抜き戦で全チームを打ち負かすことでエンディングが見られます。2人用は単発の対戦モードとなっており、分かりやすく楽しめる内容になっています。

オールスターモード

オールスタゲームに基づくモードで、出場選手はランダムに選ばれるため、プレイヤーが選ぶことはできません。直近に発売された『ファミスタ'92』でのオールスターゲームが引き続き採用されています。

ドラフトモード

2名の選手を選び試合に出場させることが可能です。選手の指名は複数のチームによる競合があり、戦略的な要素が求められます。指名の対象選手にはナムコスターズなども含まれており、ドラフト資源が制限される中での対戦が展開されます。

紅白戦モード

選手を選んで紅組と白組に分かれ、その中で対戦を行います。各組には限られた数の投手しかいないため、戦略的な選手起用が求められます。

球場と球団

東京ドームや千葉マリンスタジアム、阪神甲子園球場をモデルにした選択可能な球場があり、各球場の特徴を再現しています。12球団の実在チームが含まれ、選手名は一部仮名化も行われています。

音楽と評価

ゲーム内の音楽もやり込み要素の一つで、シリーズを通してのテーマ曲も存在します。『ファミリーコンピュータMagazine』での評価は23.37点と高評価を獲得しており、グラフィックやチーム数の向上が特に称賛されています。

スタッフ情報

ゲームの開発チームはPICCARI PROで、ディレクターに岸本好弘など多くのスタッフが関与しています。各種レビューや関連書籍も発行されており、プレイヤーの戦略を支援する内容が提供されています。

このように、`スーパーファミスタ`は野球ゲームとしての革新をもたらし、後のシリーズへと繋がる基盤を築いた作品となっています。

もう一度検索