セイバン

株式会社セイバンについて

株式会社セイバン（SEIBAN COMPANY LIMITED）は、兵庫県たつの市に本社を置く鞄の製造・販売を手掛ける企業です。社名の由来は、「カバンの製造」を意味する「製カバン」を短縮したものであり、同時に兵庫県の地域名「西播磨」を組み合わせたダブルミーニングとなっています。

創業の歴史

この会社は1919年に創業者の泉亀吉によって、大阪市で設立されました。初めは播磨地方で産出された皮革を用いて、カバンや財布、キセルなどを製造する企業でした。戦後の混乱期を経て、1946年に本社を御津町（現・たつの市）に移転し、そこからはランドセルの製造を始めました。

セイバンは長い歴史を持つランドセルの老舗メーカーであり、2003年には「天使のはね」を開発し、その軽さと耐久性からギネスにも登録されました。この製品は西播磨地方から全国へ名を借りた象徴的な存在となり、2016年時点での国内市場シェアは約50％に達しています。現在も、軽さを追求したクッション形状「せみね」や、フィット感を高める肩ベルトのデザイン「ひねぴた」など、新たな技術も積極的に開発しています。

「天使のはね」とは

「天使のはね」は、ランドセルの肩ベルト部分に羽根の形をした樹脂を内蔵し、背負った際の重心を高めることで、より楽に背負えるように設計されています。今ではランドセルの代表的なブランド名として広く知られ、売り場でも「天使のはね」と名指しされることが多くなっています。

生産体制と展開

セイバンは、兵庫県西播磨地方を拠点に本社と工場を一貫して運営しています。また、大阪にあるグループ会社・スリーアイコーポレーションを通じてナショナルブランドモデルの販売業務を行っています。さらに、日本国内に留まらず、ドイツでは大人用ランドセルの販売を行うなど、進出先を広げています。

2019年には創業100周年を迎え、「セイバンスマイルファクトリー」がたつの市内に完成し、効率的な生産体制を整えました。この工場は、訪問者がその様子を見学できるスペースや「ランドセルコンシェルジュ」を配置した店舗、さらにはミュージアムも併設されています。

環境配慮と安全性

セイバンは、製品の材質選定にも気を配っており、人体に影響を及ぼさない材料やエコロジカルランドセルと呼ばれる製品を展開しています。肩ベルトには防犯ブザーを取り付けられるスペースも設けて、子供の健康や安全を重視した設計にしています。

マーケティング戦略

CM展開も積極的に行い、ケーブルテレビや地元局から始まり、近年では関東地区でも放送されています。特に、合同スポンサーシップを通じて「天使のはね」を前面に打ち出し、多くのアニメや特撮番組に提供されています。これにより、ランドセル購入需要の高まるシーズンに、広くその存在を知らしめることに成功しています。

提供番組

セイバンは、様々なアニメや特撮番組にスポンサーとして名を連ねており、以下のような番組での露出が見られます。

• - スーパー戦隊シリーズ
• - 平成仮面ライダーシリーズ
• - プリキュアシリーズ
• - ドラえもん（アニメ第2作）
• - クレヨンしんちゃん など

まとめ

株式会社セイバンは、長い歴史を持ちながら、現代のニーズに応えた製品を提供し続けています。特に、子供たちの安全と健康を意識した商品開発が評価され、多くの保護者から支持を集めている企業です。

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