ゼブラフィッシュ

ゼブラフィッシュ（ゼブラ・ダニオ）の概要

ゼブラフィッシュ、学名Danio rerioは、インドを原産とする成長の小さい淡水魚で、体長は約5センチメートルほどです。この魚は日本ではシマヒメハヤと呼ばれ、シマハヤモドキという別名も持っています。コイ目に属し、コイや金魚などと近縁です。特徴的には体表に縦の紺色のストライプがあり、この模様がシマウマのように見えることからこの名前が付けられました。

ゼブラフィッシュは活発に泳ぎ回る性格で、寿命は約5年程度。温和な性質を持っており、同サイズの魚との混泳も問題ありません。食性は雑食で、一般的に飼育が容易なため、観賞魚として非常に人気があります。また、この魚は多産であり、1回の産卵で数百個の卵を産むことができます。卵は直径1ミリメートルほどで、透明なため観察や実験に非常に適しています。

改良品種と観賞魚としての人気

ゼブラフィッシュには様々な改良品種が存在し、その中でも流通量が多いのがゼブラ・ダニオです。他にもホワイトパール・ゼブラ・ダニオやロングフィン・ゼブラ・ダニオなど、外見やヒレの形状に変異を持つ種があります。

具体的な改良品種としては：

• - ホワイトパール・ゼブラ・ダニオ：白色がかった体色を持つ。
• - ロングフィン・ゼブラ・ダニオ：尾ひれが長く、餌と間違えられやすい。破損しても再生します。
• - レオパード・ダニオ（学名：Danio frankei）：縞模様がスポット状になった特異な外観を持つ。
• - パール・ダニオ（学名：Danio albolineatus）：淡青紫色で、一対の黄色いラインが特徴。
• - ジャイアント・ダニオ（学名：Devario malabaricus）：別種で、サイズが10cmほどに達します。
• - オレンジグリッター・ダニオ（学名：Danio choprai）：鮮やかなオレンジ色に横縞が入る新しい改良品種。
• - ダニオ・エリスロミクロン（学名：Danio erythromicron）：特有の青い縦のストライプが特徴で、臆病な性質を持っています。
• - レッドゼブラダニオ：遺伝子組み換え技術で作られ、環境省から返品要請があります。

生物学的モデル生物としての利用

ゼブラフィッシュはその特性から、脊椎動物における神経系の研究モデルとして広く用いられています。1981年には特定の倍数体を持つ個体が得られ、そこから化学変異原を使った大規模スクリーニングが進められました。

この魚は以下のような特長があり、発生生物学や遺伝子研究において非常に役立っています：

• - 簡単に飼えること
• - 一度に多くの卵を産むため実験に最適
• - 世代時間が短く、約2ヶ月半で生殖を開始
• - 透明な胚により、観察や実験が容易

また、特に神経系についての研究においては、各種データベースやリソースも整備されており、多方面からのアプローチが可能です（例：ZFIN、ViBE-Z、ZFAPなど）。

このようにゼブラフィッシュは観賞用としてだけでなく、科学研究においてもその存在意義を発揮している興味深い生物です。

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