ソフトフォン

ソフトフォンとは

ソフトフォンとは、特別なハードウェアを必要とせず、一般的なコンピュータを使ってインターネットを介して通話を実現するソフトウェアのことです。これは通常の電話機と似た感覚で操作できるように設計されており、画面には電話機の画像や操作用のパネル、ボタンが表示されます。ヘッドセットを接続することで音声のやり取りが可能となり、USBフォンを使用することもできます。また、スマートフォン向けのアプリも存在し、より手軽に利用できる環境が整っています。

用途

ソフトフォンは主に、IP電話サービスプロバイダと契約して利用されます。これにより、他のソフトフォンや固定電話、携帯電話と通信することが可能です。一部のサービスプロバイダでは、PC同士の通話が無料で提供されており、固定電話や携帯電話に対する通話のみが有料となる場合があります。また、一般的な電話機とLANを用いて構内交換機（PBX）に接続して使用するケースもあり、この手法は特にコールセンターでの業務に利用されています。これにより、オペレータは顧客の情報を画面上で確認しながらスムーズな対応が可能です。ただし、一部の国ではこのようなPBXシステムが禁止されていることもあります。

最近では、スマートフォンの普及に伴い、AGEphoneやMOT/Phoneといったソフトフォンを活用し、スマートフォンを家庭用電話の子機として使うサービスも増えてきました。さらに、SkypeやGoogle Talk、Vonageといった著名なIP電話サービスプロバイダは、それぞれ独自のソフトフォンを提供しており、ユーザーはそれを自分のコンピュータにインストールして利用します。しかし、これらのサービス間での直接通話は相互に対応していないため、注意が必要です。

通信プロトコル

ソフトフォンの通信を行うためには、双方の端末が同じ通信プロトコルを使用し、音声コーデックも1種類以上は共通のものをサポートする必要があります。多くのサービスプロバイダはIETFのSIP（Session Initiation Protocol）を利用していますが、Skypeは独自のシステムを採用しており、Google TalkはXMPPに基づいています。このように、通信プロトコルの違いによって、相互に通信ができない場合もあります。

機能

ソフトフォンは、通常の電話と同様の機能を網羅しており、着信拒否やミュート、保留、転送などの基本機能に加え、在席情報や動画通話、高音質音声など多彩な機能も提供されています。これらの機能を支えるためには、最低でもG.711、GSM、iLBCといった音声コーデックが使用されます。さらに、提供される機能やコーデックはベンダーによって異なるため、自分の利用目的にあったものを選ぶことが重要です。

必要な仕様

インターネットを介して音声通話を行うには、次の条件を満たす必要があります。まず、マイクロフォンとスピーカー、もしくはヘッドセット、USBフォンが接続された比較的新しいPCまたはスマートフォンが必要です。加えて、高品質なインターネット接続、例えばDSL、Wi-Fi、LAN、あるいはモバイルブロードバンド（3G・4G）などが求められます。なお、音質が低くても構わない場合には、28.8kbpsのモデムでも通話可能です。最後に、IP電話サービスプロバイダと契約することが必須です。

まとめ

ソフトフォンは、インターネットを活用した新しい形の通信手段として、様々な場面での利用が広がっていますが、その利用には適切な環境と選択が不可欠です。

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