タンブレロ

タンブレロについて

タンブレロ（Tamburello）は、イタリアで誕生したユニークな球技です。このスポーツは、特徴的なタンバリンをモデルにしたバットを用いてプレイされ、主に二つの形式で行われます：一つは野外で行うアウトドア・タンブレロ、もう一つは室内で競技されるインドア・タンブレロです。さらに、類似したスポーツとしてタンブレリ（Tambourelli）、タムビーチ（Tambeach）、タンブレウ（Tamboreu）も存在します。

タンブレロの歴史

ボールを打ち合う球技は、紀元前から世界中の古代文明で見られますが、タンブレロのルーツはエジプト文明に遡ります。紀元前15世紀頃のエジプトの壁画には、テニスの起源に数えられるゲームが描かれており、これがタンブレロの基盤となるものです。古代ローマ時代にも、イタリアでは形を変えた球技が行われていました。

特に11世紀には、ウマイヤ朝の影響を受けて「ジュ・ド・ポーム」というゲームが登場し、これがラケットという言葉の由来ともなりました。現在のタンブレロの原型は、16世紀から18世紀にかけて中世北部イタリアで行われていた「パローネ・コル・ブラチャーレ」という競技にあたると言われています。この競技は、前腕にはめた木製の筒でボールを打つものでした。タンバリンの起源も古代エジプトやローマ時代に見られ、この楽器の名がタンブレロというスポーツ名にも反映されています。

19世紀後半に現在の形のタンブレロが確立され、1896年にはイタリアで初の選手権が開催されました。その後、1920年に公式なルールが制定されました。

アウトドア・タンブレロ

アウトドア・タンブレロは野外で行われ、80m x 20mのコートを使用します。各チームは5人で構成され、サーブからゲームが始まります。この競技で使われるバットは直径28cm、ボールは直径6cmで、フランスとイタリアでは異なる重さのものが使われます。ネットはありませんが、テニスに似たルールでプレイされ、ボールが2回バウンドする前に相手が返球しなければなりません。

点数もテニスと類似しており、40対40の状況ではデュースとなります。この場合、2回目のデュースを「Game Ball」と呼び、勝った時点でゲームが成立します。18ゲーム先取した方が勝者となります。

インドア・タンブレロ

インドア・タンブレロは1930年代に始まり、1950年代にその人気が高まりました。この形式は、アウトドアと同様のルールを基本としておりますが、コートサイズはかなり小さく、34m x 16m程度で行われます。プレイヤーは3人編成で、サーバーがセンターバックを兼任します。ボールはアウトドア用より軽く設定されています。

この競技もネットを使用せず、ポイントのカウントはアウトドアと同じです。各ゲームは、13ゲームまたは18ゲームを先に取ったチームが勝ちとなります。

おわりに

タンブレロは、その歴史と競技形式の多様性から、魅力的なスポーツであり続けています。アウトドアとインドアの両方で楽しむことができ、国際的にも多くの愛好者がいます。競技の普及にも力が入れられ、今後ますます多くの人々に楽しんでもらえることでしょう。

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