チョコボのふしぎものがたり

チョコボのふしぎものがたり

『チョコボのふしぎものがたり』は、漫画家かとうひろしによって描かれた日本の漫画作品です。1998年8月号から2001年1月号まで『月刊コロコロコミック』（小学館）で連載され、てんとう虫コミックスから全6巻が刊行されました。スクウェア（現スクウェア・エニックス）のダンジョンRPG『チョコボの不思議なダンジョン』シリーズを原案としていますが、ストーリーはオリジナルで展開されています。

概要

この漫画は、元々『チョコボの不思議なダンジョン』のガイドブックに掲載された読み切り作品が好評を博したため、続編の『チョコボの不思議なダンジョン2』をベースにした連載へと発展しました。物語は、チョコボが父親を探す旅を軸に進みますが、ゲームの設定は一部のみ採用されており、シロマの出生やグラスゴスの正体など、漫画独自の解釈が加えられています。

かとうひろしの過去の作品とは異なり、本作は可愛らしい絵柄と作風が特徴で、そのスタイルは後の作品『疾風天国 風のクロノア』にも引き継がれています。また、単行本の1巻から3巻と4巻から最終6巻では、絵柄に若干の変化が見られます。

あらすじ

父親を探す旅を続けるチョコボは、砂漠で行き倒れていたところをモーグリに助けられます。その後、村でモーグリと再会しますが、モーグリは実は詐欺師でした。チョコボはモーグリを恩人と信じ、彼のお宝探しの旅に同行することになります。二人は様々な場所を訪れ、多くの敵と戦い、様々な人々と出会います。シロマやシド、モンスター村の住人たちとの交流を通じて、チョコボは成長していきます。また、旅の中でモーグリも少しずつ性格が丸くなっていきます。

ある日、チョコボは雪山で父親のファズと再会しますが、ファズはグズグズに操られており、戦うことになります。激闘の末、チョコボはファズに勝利しますが、ファズから「一人前になるまで会えない」と告げられます。その後、チョコボはモーグリと共に、お宝探しの旅を続けることを決意します。

しかし、モンスター村が危機に瀕していることを知ったチョコボ達は、再びモンスター村へ向かいます。そこでは、グズグズがモンスター村の住人を操り、チョコボを殺して魂を手に入れ、最強のモンスター・グラスゴスへと進化していました。チョコボは、ファズや正気に戻ったモーグリの助けを借りて復活し、グラスゴスに立ち向かいます。そして、グラスゴスの弱点を見抜いて倒し、モンスター村に平和を取り戻します。最後には、チョコボはファズと再会を果たし、旅は終わりを迎えますが、モーグリとの新しい旅も示唆して物語は幕を閉じます。

登場キャラクター

メインキャラクター

チョコボ: 黄色い子チョコボ。素直で騙されやすいが、戦闘能力は高い。父親のファズを探している。鳴き声は「キュピ」。
モーグリ: お宝を探す旅をしている詐欺師。ずる賢い性格だが、仲間思いな一面も持つ。高所恐怖症のため、飛ぶのが苦手。
シロマ: 白魔道士の女の子。優しく気が強い性格。チョコボとは仲が良いが、モーグリとはいつも喧嘩している。
デブチョコボ: 白くて太ったチョコボ。シロマが好きで、いつも同行する。大食い。
シド: 村の機械技師。タワーに住んでいる。チョコボに協力する。飛空艇は作らない。
ファズチョコボ: チョコボの父親。勇者として知られている。どこか抜けたところがある。グズグズに操られてチョコボと戦う。
クルクル: シロマが作った人形。モンスター村の危機を知らせる役割を持つ。

村の住人

ボムおばさん: 村の主婦。パン作りが得意。ゲームとは異なりシロマに友好的。
ベンさん: 村の大工。ベビモの父親。ゲームとは異なり素直。
ベビモ: ベンさんの息子。ゲームとは異なり素直。
ゴッドン・ゴーシュ: 村のゴーレム。いのちの木の世話をしている。
クロマ: 村の黒魔導士。普通に喋る。策士。
ゴブオ・ゴブ子: 村のゴブリン。ゴブ子は洋食屋の店員。
ガメドン: 村の倉庫屋。
トンベリ: 村の洋食屋の店主。
ラミア: 村のバーの店主。シドの常連客。催眠術が得意。

敵キャラクター

プリン: フォック種の村外れの洞窟に生息するモンスター。チョコボに倒される。
ゴブリン: 魔法の本を所持するモンスター。洞窟に人を閉じ込める。
スケルトン: 遺跡を守る兵士達。真剣勝負に負けたら望みを叶える。
シーフ: 盗人。モーグリに宝を奪われかけるも罠にかけて破壊する。
ダークタイタン: ラクーン種の村を襲っていたモンスター。ファズに退治される。
ヘルタイタン: ダークタイタンのレベルアップした姿。雪山で登山者を襲う。
インプ: シドタワーを乗っ取ったモンスター。ロボットを操る。
サハギン: 海底遺跡に生息するモンスター。モーグリを結婚させようとする。
命の番人: 死神。モーグリに呪いを掛けた。チョコボの活躍により消滅する。
ロックガーター: ナメクジのモンスター。酸で攻撃する。
インプロボボス99号: 戦いの館の番人。しりとり対決を挑む。
スカルハンマー: 戦いの館の番人。巨大だるま落としを仕掛ける。
オルトロス: 封印されていたモンスター。水に濡れると出現する。
ヴァンパイア: 封印されていたモンスター。人間の血よりトマトジュースが好き。
ゾンビ: ネクロマンサーにこき使われるモンスター。
マミー: ネクロマンサーの家で掃除をしていたモンスター。
マッドマン姉妹: チョコボのカードを狙うモンスター。体を自由に変形できる。
ネオン: ふしぎの泉に住む幽霊。錘で殺して仲間を増やす。
ヒルギガース: ミニマジシャンの巻き添えを喰らったモンスター。
マスク: 呪われた仮面。取り憑くと外せない。
フロータイボール: 一つ目のモンスター。ミニマム状態にして捕食する。
クラブローラー: グズグズに操られた機械モンスター。集団でファズを襲った。
グズグズ: 戦いの館のマスター。弱いモンスター。チョコボの魂を狙う。
グラスゴス: グズグズが最強のモンスターになった姿。チョコボに敗れる。

その他

黒魔導士: 不思議な薬品の研究をしている。
サボテンダーブラザーズ: サボテンの三兄弟。
マジックポット: 壷に潜んでいるモンスター。壺から出れない。
ネクロマンサー: 冥土の森に住む老婆。ゾンビを使役する。
ミニマジシャン: 半人前の魔法使い。
ドリッピー: フロータイボールに飲み込まれていたモンスター。爆破のプロ。
トイソルジャー三剣士: 小柄な剣士。チョコボの強さに惚れ込んでお供となる。
ラムウ: 召喚獣。インプロボボス1号を倒す。
シヴァ: 召喚獣。チョコボ達を助ける。
バハムート: 時の番人。時の流れの箱を守っている。
オーディーン: 最強の武神。マジックポットの壺を斬るために召喚された。

備考

本作は、ゲーム版の設定をベースにしつつも、ストーリーやキャラクター設定が大幅にアレンジされています。『月刊コロコロコミック』での連載の他に、『別冊コロコロコミック』では外伝作品も掲載されました。また、ゲーム版の公式ファンブックには、連載版よりもゲームの設定に近い読み切り作品も掲載されています。

単行本最終6巻には、15年後のエピソードと、作中に登場したモンスターをまとめた「モンスター図鑑」が収録されています。

書誌情報

かとうひろし『チョコボのふしぎなものがたり』小学館〈てんとう虫コミックス〉全6巻

1999年3月発売、ISBN 978-4-09-142254-5
1999年5月発売、ISBN 978-4-09-142255-2
1999年10月発売、ISBN 978-4-09-142256-9
2000年4月発売、ISBN 978-4-09-142257-6
2000年9月発売、ISBN 978-4-09-142258-3
* 2001年3月発売、ISBN 978-4-09-142259-0

もう一度検索