ツルマルツヨシ

ツルマルツヨシ：競走馬から誘導馬へ、そして穏やかな余生へ

1995年4月6日生まれのツルマルツヨシは、日本の競走界にその名を刻んだサラブレッドです。華々しい勝利と、惜しまれつつも幕を閉じた競走馬生活、そして第二の人生を歩んだ誘導馬としての活躍、そして現在は穏やかな余生を送っています。その生涯を紐解いていきましょう。

競走馬時代：栄光と苦悩

1998年、京都競馬場でデビューを飾ったツルマルツヨシは、初戦で見事勝利を収めます。しかし、その後は体質の弱さから、出走と休養を繰り返す日々が続きました。才能は認められていましたが、その才能を十分に発揮できるだけの強靭な体を持っていなかったのです。

転機が訪れたのは、5歳になった1999年の夏。体調が安定し始めると、レースでのパフォーマンスも向上。そして秋、朝日チャレンジカップで見事優勝を果たし、重賞勝ちを挙げます。続く京都大賞典では、メジロブライト、テイエムオペラオー、ステイゴールド、スペシャルウィークといったそうそうたるメンバーを相手に、見事に勝利を収めました。この活躍により、ツルマルツヨシはGI路線の有力候補として注目を集めるようになりました。

秋の天皇賞では単勝2番人気に支持されるなど、まさに絶頂期を迎えました。しかし、その後の有馬記念で4着に終わった後、骨瘤を発症。再び長期休養を余儀なくされます。復帰は翌年の秋となり、再び有馬記念に出走するも、最後の直線で競走を中止。左前脚の繋靭帯断裂という診断を受け、競走馬としてのキャリアに終止符を打つこととなりました。

引退後：誘導馬として、そして余生へ

種牡馬入りは叶いませんでしたが、ツルマルツヨシは宮崎保養センターで静養した後、新たな道を歩み始めます。それは、京都競馬場の誘導馬としての活動です。2002年、第5回京都競馬開催から誘導馬としてデビュー。馬への深い愛情と、長年の経験で培われた落ち着きで、後輩馬たちをしっかりと導きました。しかし、脚部の状態が悪化したため、2007年第4回京都開催終了をもって、誘導馬としての活動も引退しました。

その後は、引退名馬繋養展示事業の助成を受け、宮崎県宮崎市の乗馬クラブで余生を送っていました。2012年以降は、「ツルマルツヨシの会」という、現役時代の担当厩務員らによって設立された団体が支援を行い、その穏やかな日々を支えています。2017年11月には、宮崎県東諸県郡綾町の吉野牧場に移り、現在もそこで静かに余生を過ごしています。

華麗なる血統

ツルマルツヨシの血統には、数々の活躍馬が名を連ねています。伯母にはアメリカG1メイトロンステークス優勝馬のフォールアスペンがおり、その産駒には1994年のエクリプス賞チャンピオン2歳牡馬ティンバーカントリーや、フランスG2ポモーネ賞優勝馬でドバイミレニアムの母となったコロラドダンサーなどがいます。まさに、一流の血を受け継いだサラブレッドと言えるでしょう。

終わりに

ツルマルツヨシの生涯は、競走馬としての栄光と苦悩、そして引退後の穏やかな日々を物語る、感動的なものです。その輝かしい活躍は、多くの競馬ファンに忘れられることなく、語り継がれていくでしょう。 ツルマルツヨシの会や、関連ウェブサイトを通じて、その生涯をより深く知ることができるでしょう。 彼の穏やかな余生を願わずにはいられません。

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