テックビューロ

テックビューロ株式会社：ブロックチェーン技術を駆使した企業の歩み

テックビューロ株式会社は、2014年6月設立の企業です。ブロックチェーン技術と暗号通貨技術を基盤としたソフトウェアやサービスの開発、提供を主な事業としています。同社は、これまでに仮想通貨取引所の運営、ICO（Initial Coin Offering）支援、そしてNFT（Non-Fungible Token）やFT（Fungible Token）を取り扱うマーケットプレイスの開発など、幅広い事業展開を行ってきました。

主要な事業

mijin

mijinは、企業内または企業間で利用可能なプライベートブロックチェーンです。テックビューロは、mijinの開発・販売を行っています。NEM（New Economy Movement）のコア開発者との協業により、NEMと同じAPIを使用できるため、高い互換性を誇ります。金融機関、認証システム、電子マネーなど、多様な分野での活用が想定され、コスト削減とセキュリティ強化に貢献する設計となっています。2018年にはアップデート版「mijin Catapult (v.2)」を公開し、処理速度やスケーラビリティの向上を実現しました。

mijinを使った実証実験

mijinは、既に様々な企業で実証実験が行われています。例えば、SBI住信ネット銀行では、NRI（野村総合研究所）と協力して大規模な取引テストを実施し、高い信頼性と性能を実証しました。また、さくらインターネットではmijinの無料試用版を提供し、企業での導入を促進しています。インフォテリアとの連携によるミャンマーのマイクロファイナンス機関への導入事例も、mijinの適用範囲の広さを示しています。

COMSA

COMSAは、NFTとFTを扱うマーケットプレイスです。多くのユーザーがアセットのトークン化、トークンの売買、保有を容易に行えることを目指しています。発行可能なトークンには、発行数が1のUNIQUE（ユニークNFT）と、複数発行可能なBUNDLE（バンドルNFT）があります。COMSAで発行されるNFTは、Symbolブロックチェーン上にすべてのデータが格納される「オールオンチェーンNFT」です。XYM、CMS:XYM、クレジットカード（UNIQUEはETHも利用可能）でアセットを購入でき、売上金はXYMまたは日本円で受け取れます。

COMSAの変遷

COMSAは当初、ICO支援とブロックチェーン技術導入を同時に行えるソリューションとしてスタートしました。しかし、法規制の変更や市場環境の変化を受け、ブロックチェーン上のトークン発行支援からNFT・FTマーケットプレイスへと事業モデルを転換しました。2022年には、新しいCOMSAが正式にローンチされました。

その他の事業

Zaif

テックビューロは以前、仮想通貨取引所「Zaif」を運営していました。正式な仮想通貨交換業者として登録され、運営していましたが、2018年には大規模な仮想通貨流出事件が発生しました。その後、事業譲渡を経て、2019年に仮想通貨交換業から撤退しました。

発行トークン

テックビューロは、ZaifトークンとCOMSAトークン（CMS）という2つのトークンを発行しました。Zaifトークンはテックビューロのブランディングを目的としたトークンであり、COMSAトークンはCOMSAプラットフォームの内部通貨としてICOで販売されました。COMSAトークンは、イーサリアム、NEM、Symbol上で発行されており、それぞれ「CMS:ETH」、「CMS:XEM」、「CMS:XYM」と呼ばれています。

まとめ

テックビューロは、ブロックチェーン技術の応用において先駆的な役割を果たしてきた企業です。mijinやCOMSAといった革新的なサービスの開発・提供を通じて、ブロックチェーン技術の普及に貢献してきました。しかし、事業展開においては、仮想通貨市場の変動や法規制の影響を大きく受けており、その歴史には成功と失敗が共に刻まれています。現在も、変化に対応しながら事業を継続しています。

もう一度検索