てんとう虫のサンバ

『てんとう虫のサンバ』についての解説

「てんとう虫のサンバ」は、1973年7月5日にリリースされたチェリッシュの7枚目のシングルです。この楽曲は、同年に発売されたオリジナル・アルバム『春のロマンス』の収録曲として初めて披露されました。楽曲の由来には、当時の高橋隆ディレクターのアイデアが深く関わっています。彼は、森山加代子の「白い蝶のサンバ」に類似した楽曲を求め、若手作詞家の詞を取り入れました。この歌詞に基づき、馬飼野俊一の作曲によって完成されたのです。

この曲は、初めは捨て曲と認識されていましたが、ABCラジオのディレクターによる放送後、急速にリクエストが増加。こうした反響を受けて、シングルカットが決定されました。最終的には全員一致でその決定が承認され、テレビ出演を増やしたチェリッシュの代表作となりました。結果として、この楽曲は累計ミリオンセラーを達成し、チェリッシュにとっての最大のヒット曲となったのです。

「てんとう虫のサンバ」は、オリコンチャートにおいても大きな成功を収めました。シングル売上は40万枚を記録し、1972年の「ひまわりの小径」に次ぐ2番目のヒット曲として名を刻みました。また、この楽曲は1973年末の『第24回NHK紅白歌合戦』にも初出場し、チェリッシュは紅組として選ばれました。メインボーカルの松井（後の松崎）悦子が女性であったため、この紅組出場が実現したのです。

この曲の歌詞には赤・青・黄のテントウ虫が登場しますが、実は青いテントウ虫は日本では見かけられません。オセアニアに生息するHalmus chalybeus（別名: steelblue ladybird）がその代表です。このことは、楽曲のファンタジー性をさらに引き立てています。

加えて、1994年にはチェリッシュ自身が替え歌を制作し、積水ハウスのCMソングとして使用されました。

楽曲の詳細

「てんとう虫のサンバ」の収録情報は次の通りです。

• - 作詞: さいとう大三
• - 作曲/編曲: 馬飼野俊一
• - 収録曲:

1. てんとう虫のサンバ（2分37秒）
2. 落葉の森の晩餐会（3分11秒）

• - 収録アルバム:

- 春のロマンス
- チェリッシュ・ベスト・コレクション
- スーパー･デラックス
- チェリッシュ・ライブ
- その他多数

カバー・アレンジ

「てんとう虫のサンバ」は多くのアーティストやメディアによってカバーされ、様々な形で親しまれています。1974年にはフジテレビの子供番組『ママとあそぼう!ピンポンパン』で、石毛恭子が歌い、当時の関連LPにも収録されました。また、1975年にはビクター少年合唱隊がカバーし、1991年にはCottonによるシングルのカップリングに入るなど、多岐にわたるリーチを持っています。

さらに、アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の挿入歌としても使用され、緒方恵美や宮村優子らによってカバーされました。2003年には、子供向けバラエティ番組「けんたろうとミクのワイワイキッズ」でまゆのりがカバーし、2022年には日本テレビの特番THE MUSIC DAYにて亀梨和也（KAT-TUN）がパフォーマンスを行うなど、今もなお多くの人々に愛され続けています。

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