ディーサイド

ディーサイド (DEICIDE)

アメリカ、フロリダ州タンパに拠点を置くディーサイドは、1987年に結成されたデスメタルバンドです。その名はラテン語で「神を殺すこと」という意味を持ち、アンチクライストや悪魔崇拝をテーマとした冒涜的な歌詞が特徴です。彼らの音楽スタイルは、スラッシュメタルの影響を受けた真正のデスメタルであり、フロリダを拠点とする他のバンドと共に1990年代初頭のデスメタルシーンを発展させました。

音楽的背景と影響

ディーサイドはデスやモービッド・エンジェル、カンニバル・コープスなどのフロリダ出身のバンドと共に、デスメタルの重要なシーンを形成しました。さらに、スラッシュメタルの巨星スレイヤーの影響を色濃く受けており、彼らのサウンドは多くのバンドに影響を与え続けています。特に、彼らがレコーディングを行っていたタンパのモリサウンドと、プロデューサーのスコット・バーンスが生み出す音は、後の多くのデスメタルバンドの憧れの的となりました。

結成と初期活動

ディーサイドは元々エイモン(AMON)という名で活動していましたが、後に現在のバンド名に改名しました。結成当初からのメンバーであるグレン・ベントン、スティーブ・アシェイム、エリック・ホフマン、ブライアン・ホフマンの4人が在籍し、デモ音源『Amon:Feasting The Beast』を発表しました。グレンは特に「イエス・キリストが亡くなった年齢と同じ33歳になったら自殺する」と発言しており、彼の動向が注目された時期もありましたが、実際にはこの発言を撤回しています。

ディスコグラフィー

ディーサイドは1990年にデビューアルバム『Deicide』を発表し、以降数々のアルバムをリリースしています。代表作には1992年の『Legion』や、2013年の『In the Minds of Evil』などがあります。音楽スタイルを維持しながらも、各アルバムで新しい要素を取り入れ、進化を続けています。

メンバーの変遷

バンドは結成以来、長い間メンバーがほぼ固定されていましたが、2004年にはギタリストのホフマン兄弟が解雇されました。その後、元カンニバル・コープスのジャック・オーウェンやラルフ・サントーラが加入し、メンバーの構成は何度か変更されることになります。特にラルフは、脱退と再加入を繰り返しながら、バンドに在籍した重要なギタリストの一人です。

社会的影響

ディーサイドは、その過激な内容からしばしば論争の的となり、ライブ会場でのテロ事件なども話題になりました。彼らの存在は、デスメタルを含むヘヴィメタルシーン全体に強い影響を与え続けており、後進のバンドたちにとっても一つの模範とされています。

ディーサイドは、今もなお進化を続けながら、デスメタルの最前線で活動し続けています。

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