デジタルネイティブ

デジタルネイティブとは

デジタルネイティブ（Digital Native）とは、インターネットやコンピュータなどの情報通信技術（IT）が身近な環境で育った世代を指します。この用語は2001年にマーク・プレンスキーによって提唱され、主に1970年代後半から1981年までに生まれた人々を中心にしており、2010年代に入りその認識が広まりました。具体的な年齢区分は国や文化によって異なりますが、日本では1972年から2001年に生まれた世代がそれぞれ異なる特徴を持つとされています。

概念の由来

最初にデジタルネイティブという名称を広めたのがプレンスキーで、彼はこの世代を生まれながらにIT環境で育った存在として強調しました。一方、ITの普及以前に生まれた人々は「デジタルイミグラント」として区別されています。特徴としては、デジタル技術を苦労せずに使いこなせる一方で、年齢や社会的地位に基づく先入観を持たず、情報は無料であるべきと考える傾向があります。

世代ごとの特徴

情報社会心理学者の橋元良明らは、日本におけるデジタルネイティブを三つの世代に分けています。

1. 76世代（1972年～1981年生まれ）: 主にパソコンを使用し、インターネットの初期に積極的に関与しました。

2. 86世代（1982年～1991年生まれ）: 携帯電話を中心にインターネットを利用し、既存の技術を受け入れつつもその不足を感じる世代です。

3. 96世代（1992年～2001年生まれ）: スマートフォンやモバイルブロードバンド環境を駆使し、動画コンテンツを楽しむとともに、クラウドを活用する「ネオ・デジタルネイティブ」と呼ばれます。

このように、年代によってその技術の利用方法や感覚には大きな違いが見られます。

主な特徴と傾向

デジタルネイティブ世代には特有の特徴があるとされています。その中には、ネットと現実の出会いを同等に考えること、情報はコストをかけずに得るべきという意識、オリジナルとコピーの違いを軽視する傾向があります。インターネットを通じた情報の拡散力も強く、オークションや販路の活用に積極的です。

一方で、長時間のスマートフォンの使用が懸念されており、特に初対面の相手とのコミュニケーションに不安を感じる若者も増えています。また、文字よりも動画を好む傾向があり、教育や子育てにおいてもその利用が目立つようです。

批判と課題

デジタルネイティブに関する議論には批判もあります。ウーロンゴン大学のベネットらは、デジタルネイティブに属するとされる多くの特徴が実証されていない、または実証が脆弱であると指摘しています。ソーシャルメディア研究者のダナ・ボイドは、この概念が若者が直面する現実の問題を無視する可能性があると警告しています。また、実業家の西村博之は、スマートフォンへの依存がクリエイティビティを損なう危険性を指摘しており、今後の技術の発展に対して懸念を示しています。

まとめ

デジタルネイティブという概念は、情報技術の進化と共に成長してきた世代を理解する上で重要な一つの枠組みです。しかし、その特性は単純でなく、批判や議論が存在することも事実です。今後もこのテーマは進化し続けることでしょう。

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