モバイルブロードバンド

モバイルブロードバンドとは

モバイルブロードバンド（Mobile broadband, MBB）とは、無線アクセス技術を用いて、移動中でもブロードバンドインターネット接続を利用できるサービスのことです。この技術は、無線通信による高速インターネット回線を提供し、「モバイルブロードバンド」という名称で呼ばれます。一方で、有線接続によるブロードバンド回線は「ホームブロードバンド」と呼ばれ、モバイルブロードバンドとは対照的な存在です。

世界の普及状況

モバイルブロードバンドの普及は世界的に進んでおり、特にOECD加盟国ではその利用が顕著です。2015年6月のデータによると、人口100人あたりの契約者数が多い国々が存在します。この普及率は、社会におけるモバイルブロードバンドの重要性を示しています。

通信速度

モバイルブロードバンドの通信速度は、技術の進歩とともに向上しています。2015年の調査では、イギリスが平均26.8Mbpsで世界最高速を記録しましたが、2021年にはUAEが下り193.51Mbps、上り28.05Mbpsと大幅に速度を向上させました。日本は下り60.36Mbps、上り11.76Mbpsで35位となっています。この速度差は、国ごとのインフラ整備や技術水準の違いを反映しています。

端末の種類

モバイルブロードバンドを利用するための端末は多岐にわたります。ラップトップやノートパソコン、ネットブック、ゲーム機などが代表的です。これらの端末は、無線LAN機能を搭載するものが多く、イーサネット端子やPCカードスロットを省略する傾向にあります。そのため、テザリング機能を持つスマートフォンやモバイルルーターが、無線アクセスを中継する役割を担うようになっています。

日本の主なサービスプロバイダー

日本国内では、以下の主要なサービスプロバイダーがモバイルブロードバンド回線を提供しています（2022年現在）。

NTTドコモ
KDDI (au by KDDI)
沖縄セルラー電話 (au by KDDI)
ソフトバンク（SoftBank/Y!mobile）
楽天モバイル

これらの主要プロバイダー以外にも、仮想移動体通信事業者（MVNO）が多数存在し、多様なサービスを提供しています。

公衆無線LAN

モバイルブロードバンドの普及に伴い、公衆無線LAN（Wi-Fi）スポットも増加しています。これにより、より多くの場所で快適なインターネット接続が可能になっています。

端末供給メーカー

モバイルブロードバンド端末の製造には、多くのメーカーが関わっています。以下に、主なメーカーの例を挙げます。

日系メーカー

ソニー系: ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ、ソニーモバイルコミュニケーションズ
京セラ
シャープ
富士通、東芝系: 富士通モバイルコミュニケーションズ、FCNT
NEC、カシオ、日立国際電気系: カシオ日立モバイルコミュニケーションズ、NECカシオ モバイルコミュニケーションズ、NECプラットフォームズ
パナソニック モバイルコミュニケーションズ
セイコーインスツル
ネクス
日本無線
バンダイ
エイビット
ハギワラシスコム
バッファロー
アイ・オー・データ機器

海外メーカー

Apple
モトローラ
レノボ
ブラックベリー
シエラ･ワイヤレス
ノキア
Option
サムスン電子
LGエレクトロニクス
パンテック&キュリテル
HTC
ASUS
インベンテック・アプライアンシズ
華為技術（Huawei）
Longcheer Technology
中興通訊（ZTE Corporation）
小米集団（Xiaomi）
OPPO


これらのメーカーは、スマートフォン、タブレット、モバイルルーターなど、様々なモバイルブロードバンド端末を開発・製造しています。

関連情報

モバイルブロードバンドに関連する技術やサービスは多岐にわたります。以下に主な項目を挙げます。

無線アクセス
Wi-Fi電話端末
パケット定額制
モバイルデータ通信定額制
ノートパソコン
* クラウドコンピューティング

これらの技術やサービスは、モバイルブロードバンドの利便性をさらに高めるために重要な役割を果たしています。

モバイルブロードバンドは、現代社会において不可欠なインフラとなっています。その普及と技術の進化は、私たちの生活や働き方に大きな影響を与え続けています。

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