デジタルバック

デジタルバックの概要

デジタルバックとは、フィルムカメラおよびデジタルバック専用カメラに取り付けることで、デジタルカメラとしての機能を持たせるためのデバイスです。この技術により、特に中判カメラや大判カメラといった大型カメラに、デジタル撮影の利便性をもたらします。これらのカメラでは、フィルムバックを簡単に取り外せるため、デジタルバックを装着することで、フィルムカメラを高機能なデジタルカメラに変換することができます。

デジタルバックの機能と特徴

デジタルバックには、イメージセンサーや画像処理プロセッサ、場合によっては液晶モニターとメモリカードスロットなど、デジタルカメラに必要なすべての要素が含まれています。このため、デジタルバックの取り付け可能なカメラ本体さえあれば、すぐにデジタル撮影を楽しむことができます。また、デジタルバックは任意に取り外しが可能であるため、従来のフィルムバックを再度取り付けてフィルムカメラとして使用することも容易です。これにより、ユーザーは異なる撮影スタイルに応じて柔軟に撮影機器を使い分けることができます。

イメージセンサーのサイズは33×44mmから36×48mmまで多岐にわたり、フィルムサイズの645フォーマットに匹敵するものもあり、特に中判サイズのカメラ向けのセンサーが多く見受けられます。これらのセンサーは、一般的に高解像度であり、2000万画素を超えるものや、Phase One製の一億画素に達する製品もあります。高画質な写真を得ることができるのですが、その分、価格も高額になりがちです。そのため、135フィルムを使用するデジタルカメラのユーザーが満足できない場合に、プロのフォトグラファーがデジタルバックを選択することがほとんどです。

歴史とメーカー

デジタルバックの歴史の中で、特に注目すべきは2005年にライカが開発した一眼レフカメラ「ライカR8/R9」用のデジタルモジュールR（DMR）です。このデジタルバックは、コダック製のイメージセンサーを搭載し、面積が135フィルム版の約半分のAPS-Cサイズ（17.6×26.4mm）であり、特別なフォーカシングスクリーンが必要でした。撮影した画像はSDメモリーカードにRAW、TIFF、JPEGフォーマットで記録され、約1000万画素の解像度を持っていました。この製品は135フィルムカメラというベースにより、可搬性にも優れていました。

主なデジタルバックメーカー

デジタルバックを製造する主要なメーカーにはいくつかの企業があります。

• - 富士フイルム では、2017年に中判ミラーレス一眼カメラ「GFX 50S」を発表し、このカメラ本体をデジタルバックとして使用するためのオプションもリリースしました。

• - PHASE ONE は2015年にマミヤ・デジタル・イメージングを買収し、日本法人「Phase One Japan株式会社」を設立しました。この会社は国内で製品を展開しています。

• - Leaf はイスラエルに本拠を持ち、2009年にはフェーズワンに買収され子会社として運営されています。AptusやCredoシリーズなどが有名です。

• - コダック や Imacon もデジタルバックを製造しており、特にImaconは2002年にシュリロ社に買収された後、ハッセルブラッドブランド名で製品を展開しています。ixpressシリーズなどが知られています。

• - また、Dalsa や eyeLike などの企業も、デジタルバックの開発に関与しています。

このように、デジタルバックはフィルム撮影の魅力を残しつつ、デジタル化の利便性も提供する新しい選択肢として、多くのプロフェッショナルに支持されています。

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