デスラー砲

デスラー砲：ガミラス帝国の威嚇と破壊の象徴

アニメ『宇宙戦艦ヤマト』シリーズにおいて、ガミラス帝国のデスラー総統の艦艇に搭載された強力な兵器として知られるのが、デスラー砲です。その圧倒的な破壊力と劇的な演出は、シリーズを象徴する要素の一つとなっています。本稿では、デスラー砲、その強化版であるハイパーデスラー砲、そしてデスラー砲を搭載した専用の艦艇であるデスラー砲艦について、詳細に解説します。

デスラー砲：波動砲との関連性と多様な描写

デスラー砲はガミラス帝国の艦隊決戦兵器として位置付けられており、その発射システムは、波動砲とは異なり、機銃型でスクリーンを介して直接照準を合わせる点が特徴的です。光弾の色は、通常はガミラスのビームと同様の明るいピンクですが、作品によっては黄色みを帯びている描写も見られます。興味深いことに、発射音は波動砲と同一であるという設定が存在します。これは、両兵器が共通のエネルギー源や原理を共有している可能性を示唆しています。当初の設定では反陽子ビーム砲という設定もあったものの、没案となっています。

シリーズを通して、デスラー砲は数々の戦いで使用され、その威力はヤマトクルーに幾度となく危機をもたらしました。 『宇宙戦艦ヤマト』では、ヤマトのワープや空間磁力メッキによって攻撃を回避される場面も描かれています。『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』では、ヤマトを包囲する駆逐艦ごと破壊しようと試みますが、ヤマトの小ワープによって失敗に終わります。『宇宙戦艦ヤマト2』では、空洞惑星の磁力線封鎖装置で拘束されたヤマトへの攻撃を試みますが、サーベラーの策略やヤマト側の機転により阻止されます。また、『宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち』では、暗黒星団帝国の惑星ゴルバに対して使用されましたが、その装甲を貫通することはできませんでした。『宇宙戦艦ヤマトIII』では、デスラー砲艦による斉射が描かれ、ボラー連邦艦隊に大きな被害を与えた一方、ゼスパーゼには効果がありませんでした。『宇宙戦艦ヤマト 完結編』では、ディンギル帝国の艦を撃沈する場面が見られますが、デスラー砲かハイパーデスラー砲かは断定できません。

リメイク版におけるデスラー砲：ゲシュ=ダールバム

『宇宙戦艦ヤマト2199』では、デスラー砲は「ゲシュ=ダールバム」という正式名称が与えられ、ヤマトの波動砲と同原理であると明言されています。空間機動要塞都市「第二バレラス」に装備されており、戦闘艦「デウスーラII世」を射撃中枢として使用します。都市との接続状態によって、エネルギー源や射撃精度が変化します。第二バレラスからの発射は、ヤマトへの攻撃や惑星の破壊などに繋がりましたが、ヤマトの反撃や第二バレラス自体の損壊によって、その威力が完全に発揮されることはありませんでした。 『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』では、ノイ・デウスーラに搭載され、ガトランティス艦隊や異空間の遺跡、そしてヤマトへの攻撃に使用されましたが、ヤマトはワープによって回避しています。

ハイパーデスラー砲：圧倒的な破壊力

『宇宙戦艦ヤマトIII』に登場するハイパーデスラー砲は、デスラー砲を凌駕する破壊力を誇る強化版兵器です。ボラー連邦の機動要塞ゼスパーゼを破壊するほどの威力を持っており、ゴルサコフ艦隊の撃破にも使用されています。その発射原理は、二本の波動エネルギーの干渉によって、弾道周囲に巨大な次元の歪みを作り出すという設定が考案者によって提案されています。

デスラー砲艦：デスラー親衛隊の主力

『宇宙戦艦ヤマトIII』に登場するデスラー砲艦は、デスラー親衛隊の主力艦として活躍します。艦首に装備されたデスラー砲に加え、複数の回転速射砲塔も備えています。ボラー連邦との戦闘において、艦隊を壊滅させるほどの戦果を挙げましたが、敵機動要塞のブラックホール砲によって撃沈されています。

まとめ

デスラー砲は、その圧倒的な破壊力と、シリーズを通して様々な状況下で使用されることで、物語に緊張感とドラマ性を加える重要な要素となっています。 波動砲との関係性、様々なバリエーション、そしてその劇的な描写は、長年にわたって多くのファンを魅了し続けていると言えるでしょう。

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