デビッド・モレル

デビッド・モレル：キューバが生んだ二階級制覇のボクシングスター

オズバリー・デビッド・モレル・グティエレス・ジュニア、通称デビッド・モレルは、1998年1月18日キューバのサンタ・クララで生まれました。彼は、その卓越したボクシングスキルと圧倒的なパワーで、プロボクシング界に名を轟かせています。元WBA世界スーパーミドル級レギュラー王者、そして元WBA世界ライトヘビー級レギュラー王者という二つの階級での王座獲得は、彼の才能を物語る何よりの証拠でしょう。特に、デビューからわずか3戦目での世界王座獲得は、センサク・ムアンスリンやワシル・ロマチェンコと並ぶ最速記録であり、ボクシングファンを大いに驚かせました。

プロとしてのキャリア

モレルのプロとしてのキャリアは、2019年7月にキューバから亡命し、ウォリアーズ・ボクシング・プロモーションズと契約したことから始まりました。彼のプロデビューは、ボクシング界に大きな衝撃を与えました。以下に、彼の主な戦績をまとめます。

スーパーミドル級

• - 2020年8月8日: 空位のWBA世界スーパーミドル級暫定王座決定戦で、レノックス・アレンに判定勝ち。デビュー3戦目にして世界最速タイ記録での王座獲得という偉業を達成しました。
• - 2020年12月26日: マイク・ガブロンスキーとの初防衛戦で体重超過を起こしたものの、ノンタイトル戦として実施されKO勝ち。暫定王座は剥奪されませんでした。
• - 2021年1月19日: WBAから暫定王者からレギュラー王者へ認定されました。
• - 2021年6月27日: マリオ・カサレスを初回KOで下し、初防衛に成功しました。
• - 2021年12月18日: アランテス・フォックスにTKO勝ちを収め、2度目の防衛に成功しました。
• - 2022年6月4日: ケビン・ヘンダーソンをTKOで破り、3度目の防衛に成功しました。
• - 2022年11月5日: 指名試合でアイドス・イェルボスヌイにKO勝ちし、4度目の防衛に成功。しかし、試合後イェルボスヌイが硬膜下血腫で一時意識不明となる重体に見舞われるというアクシデントもありました。
• - 2023年4月22日: ヤマグチ・ファルカンにTKO勝ち。5度目の防衛に成功しました。当初の対戦予定選手が変更になった中での勝利でした。
• - 2023年12月16日: セナ・アグベコをTKOで下し、6度目の防衛に成功。会場は満員の観客で埋め尽くされました。

ライトヘビー級

スーパーミドル級での対戦相手が見つからない状況から、モレルは階級を上げてライトヘビー級に挑戦することを決意しました。

• - 2024年8月3日: ラディボジェ・カラジッチとのWBA世界ライトヘビー級レギュラー王座決定戦に判定勝ちし、二階級制覇を達成しました。この試合でモレルは75万ドル、カラジッチは35万ドルのファイトマネーを得ました。
• - 2024年8月30日: WBA世界スーパーミドル級レギュラー王座を返上しました。

戦績と特徴

モレルの戦績は、アマチュア時代が135戦130勝5敗、プロでは12戦11勝（9KO）1敗という驚異的なものです。その戦い方は、パワフルなパンチと、相手の攻撃を的確に見極める高い技術を兼ね備えています。特に、KO勝利が多いことからもわかるように、その攻撃力は非常に高いと言えるでしょう。また、一度リズムに乗ると、怒涛のラッシュで相手を圧倒する爆発力も彼の大きな武器です。

トレーナーと生活

モレルのトレーナーはロニー・シールズが務めており、共に日々トレーニングに励んでいます。現在はミネソタ州ミネアポリスを拠点として活動しており、アメリカでのボクシングキャリアを築いています。

まとめ

デビッド・モレルは、その卓越した才能と努力によって、ボクシング界で確固たる地位を築きつつあります。二階級制覇という偉業を成し遂げた彼の今後の活躍から目が離せません。今後、どのような戦いを見せてくれるのか、ボクシングファンだけでなく、多くの人々が期待を寄せていることでしょう。

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