トマトアンドアソシエイツ

株式会社トマトアンドアソシエイツ

株式会社トマトアンドアソシエイツは、日本の外食産業を担う企業の一つです。兵庫県西宮市に本社を構え、大手外食グループであるすかいらーくホールディングスの傘下で事業を展開しています。主な事業として、ファミリーレストラン「トマト&オニオン」と焼肉店「焼肉じゅうじゅうカルビ」のチェーン経営を手がけています。

創業と理念

その起源は1973年（昭和48年）に遡ります。創業者である櫻木博氏が、すでに複数の喫茶店やパブを経営する経験を積んだ後、将来性とやりがいを感じられる分野としてファミリーレストランに着目したことから始まります。氏が京都府舞鶴市の古い民家を改装し、同年8月10日に開業した「トマト&オニオン」の1号店が、現在の会社の礎となりました。

創業当初掲げたコンセプトは「ファミリー・ダイニング・ハウス」。これは、お客様がまるで自宅のダイニングで食事しているかのように、くつろいで過ごせる空間を提供することを目指したものです。この思想は、ゆったりとした座席配置や、客席フロアの一角に調理場を設けてスタッフと客の距離を近く保つ店舗設計にも反映されていました。また、主力メニューとして力を入れたハンバーグステーキでは、従来のファミリーレストランでは見られなかった、焼き上がり後も丸みを帯び、肉汁を閉じ込めたジューシーな食感を実現するための独自の製法や仕組みを開発し、競合他社との差別化を図りました。

事業拡大と多業態化

当初は直営方式で店舗数を増やしていましたが、1986年（昭和61年）5月には四国の今治デパートからの提案を受け、初のフランチャイズ（FC）店舗となる今治別宮店を開店。これを機に、FC展開も事業の柱の一つとなりました。

事業規模の拡大に伴い、本社・営業機能の移転も重ねました。1996年（平成8年）には営業本部を大阪府豊中市へ移転し大阪本社を開設。この頃、新たな業態への挑戦も行い、同年6月にはラーメン店「ラーメンテラス トムトン」の1号店を開業しました（現在は展開されていない模様）。また、同年6月下旬には韓国へも進出し、現地企業への技術指導を通じて「トマト&オニオン」の韓国1号店を開店しました。

1998年（平成11年）12月には兵庫県伊丹市に焼肉レストラン「焼肉じゅうじゅうカルビ」の1号店を開業し、焼肉業態への本格的な参入を果たしました。2000年（平成12年）3月9日には「トマト&オニオン」のチェーン全体で記念すべき100店舗目を奈良県天理市に開店するなど、順調に店舗網を拡大させていきました。

すかいらーくグループ傘下入りと再編

大きな転換点となったのは、2006年（平成18年）3月にすかいらーく（現：すかいらーくホールディングス）のグループ傘下に入ったことです。これに伴い、同年4月18日には登記上の本店所在地を創業の地である京都府舞鶴市から当時実質的な拠点であった大阪府吹田市へ移転しました（その後、2014年8月には本社機能も含む形で兵庫県西宮市へ移転）。

グループ入り後は、事業効率化のための見直しが進められました。「焼肉じゅうじゅう十兵衛」が「焼肉じゅうじゅうカルビ」に統合され、「串焼七兵衛」といった業態からは撤退。また、「トマト&オニオン」の一部不振店舗の閉店などにより、一時期は全体の店舗数が減少しました。一方で、焼肉業態の「じゅうじゅうカルビ」は堅調な業績を維持し、すかいらーくグループ内での位置づけを高めました。特に、2012年末には同じグループのジョナサンが関東地方で運営していた焼肉業態の一部店舗が「じゅうじゅうカルビ」へ転換され、それまで一部地域に限られていた関東圏での展開を本格化させる契機となりました。同社のFC運営のノウハウは、すかいらーくグループ内で後に導入されたのれん分け制度の構築にも影響を与えたと考えられています。

現在の展開

株式会社トマトアンドアソシエイツは、現在、ファミリーレストラン「トマト&オニオン」と焼肉レストラン「焼肉じゅうじゅうカルビ」の二つの主要な業態を中心に展開しています。2024年2月末時点では、秋田県から南は沖縄県に至るまで、全国各地に合計80店舗（トマト&オニオン41店舗、焼肉じゅうじゅうカルビ39店舗）を展開しており、地域に根差した店舗づくりを進めています。

その他の情報

過去には、JR東舞鶴駅前にあったホテル・アルスタインもグループ会社の一つでしたが、すかいらーくグループ傘下入りに伴い、関連会社から外れています。また、2019年（平成31年）2月には、「じゅうじゅうカルビ」の一部の店舗でO157による食中毒が発生したことを受け、同年2月25日から3月16日までの期間、全店舗で一時的な営業自粛を実施した時期がありました。

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