トルテ

トルテとは

トルテ（ドイツ語: Torte）は、美しく飾り付けられた円形のデコレーションケーキの一種で、切り分けて食べるのが一般的です。ドイツでは、飾り付け前のものやシンプルなケーキはクーヘン（Kuchen）と呼ばれます。

概要

トルテは、スポンジケーキの生地にジャムやクリームを挟んだり、表面に塗ったりしたお菓子で、主にドイツ語圏で「トルテ」と呼ばれています。スポンジケーキが生まれる前は、ビスケット生地が使われており、これは現代のタルトに近いものでした。15世紀後半から16世紀にかけて、トルテとタルトはそれぞれの道を歩み始めたと考えられており、その分岐点にあるのがリンツァートルテです。リンツァートルテは、トルテとタルト両方の特徴を兼ね備えています。トルテの味と形のバリエーションが豊富になったのは19世紀以降のことです。

トルテとタルト

起源

トルテ（ドイツ語: Torte）とタルト（フランス語: tarte）は、どちらも古代ローマ時代の皿状のパイ菓子トゥールト（ラテン語: tourte）にルーツを持ちます。トゥールトの起源はさらに古く、古代ギリシアや古代エジプトにまで遡ることができます。このように、トルテとタルトは元々同じ起源を持つお菓子でしたが、時代を経てそれぞれ独自の発展を遂げました。

相違点

今日では、トルテとタルトは以下のように区別されます。

タルト: フランス語圏で一般的。ビスケット生地で作られた皿状の器に、クリームやフルーツなどを詰めて作られます。
トルテ: ドイツ語圏で一般的。スポンジ状の生地にクリームを挟んだり、表面に塗ったりして作られます。代表的なトルテには、ザッハトルテがあります。
タート、タートゥ: 英語圏。生地はビスケット状、スポンジ状、パイ生地など様々で、皿状や平型の丸いものが一般的です。

各種トルテの事例

ザッハトルテ: チョコレートスポンジケーキをチョコレートのグラサージュでコーティングしたケーキ。
キルシュトルテ: さくらんぼを使ったケーキ。
エールトベアザーネトルテ: イチゴを使ったケーキ。「ザーネ」はクリームを意味します。
ヘレントルテ: 甘さ控えめで、洋酒、ココア、チョコレートを使用し、マジパンで覆われた多層のケーキ。様々なバリエーションがあります。
リンツァートルテ: オーストリア、リンツ地方の伝統的なお菓子。
プリンツレゲンテントルテ（摂政宮トルテ）: ミュンヘンの名物。6〜7層の生地でチョコレートクリームを挟み、全体をチョコレートで覆ったもの。
シュヴァルツヴェルダー・キルシュトルテ: 黒い森のさくらんぼケーキ。
ケーゼトルテ: チーズケーキ。焼きチーズケーキと冷製チーズケーキの両方を指しますが、焼きチーズケーキはケーゼクーヘンと呼ばれることもあります。ケーゼザーネトルテとも呼ばれます。
ドボシュ・トルテ: ハンガリー発祥のトルテで、カラメルで飾り付けられています。
フロッケンザーネトルテ: シュー生地でクリームと果物を挟んだもの。「フロッケン」は雪片のような小片を意味します。
エスターハージートルテ: ハンガリーのトルテ。数層のメレンゲ生地でクリームを挟んだもの。
トルテングース: フルーツパイの表面をゼリーで固めるために使用されるもの。

その他

ツィーゲンケーゼトルテ: ヤギ乳を使ったフレッシュチーズの一種で、ケーキではありません。「ツィーゲ」はヤギという意味です。

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