トムトム

トムトムは、スナッピー（響き線）の無い中型の膜鳴楽器です。一般的に、ジャズ、フュージョン、ロックなどのドラム奏者の間では「タムタム」または単に「タム」と呼ばれています。

起源

トムトムの起源は、アジアまたはネイティブ・アメリカンにあるとされています。歴史的には、通信手段としても用いられていました。

構造

トムトムは、円筒形の胴体の上下、または上部のみに「ヘッド」と呼ばれる膜（通常はプラスチック製）が張られています。両面にヘッドがあるものと区別するため、片面のみにヘッドがあるトムトムは「メロディック・タム」と呼ばれることもあります。スネアドラムの胴を深くしたような形状をしていますが、スネアドラムとは異なり、響き線（スナッピー）は付いていません。

使用法

ドラムセットにおいては、トムトムは欠かせない楽器であり、通常は大きさの異なるものが2〜4個使用されます。これらのトムトムは、スタンドに固定するか、バスドラムの上部に設置されます。また、楽器下部に脚が付いており、床に直接置くタイプのものは「フロアタム」と呼ばれることがあります。

オーケストラや吹奏楽などの編成で使用される場合は、「コンサートタム」と呼ばれることが多いです。この場合、異なるサイズの4〜8個のトムトムをスタンドに固定し、立って演奏するのが一般的です。マーチングバンドでは、ピッチの異なる複数のトムトムをキャリングホルダーに取り付けたり、スタンドに設置して演奏します。高音にチューニングされることが多く、その音色はティンバレスに似ています。ただし、ティンバレスとは構造が同じでも、歴史的な背景から別の楽器として認識されています。

トムトムが印象的な楽曲

トムトムは、様々なジャンルの音楽で使用され、以下のような楽曲で印象的に使用されています。

ウエスト・サイド・ストーリー / L.バーンスタイン
打楽器と小管弦楽のための協奏曲 / D.ミヨー
エクストリーム・メイクオーヴァー / ヨハン・デ・メイ
ヴァイオリン協奏曲第2番、交響曲第14番 / D.ショスタコーヴィチ

関連事項

打楽器
ドラムセット

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