ネクタリス

ネクタリスシリーズ：月面を舞台にした戦略シミュレーションゲーム

『ネクタリス』（日本国外では『ミリタリーマッドネス』）シリーズは、ハドソンが開発・発売した近未来を舞台にしたターン制のウォーシミュレーションゲームです。月面で繰り広げられる、ガイチ帝国軍と連合軍（プレイヤー軍）による激しい戦いを、独自のゲームシステムで楽しめます。

ストーリー

ネクタリス: 21世紀、人類は月面進出を果たしますが、豊富な資源をめぐる大国間の争いが激化します。ガイチ帝国は月の資源を独占しようと武力侵攻し、月面を制圧。反乱者たちは収容所に収監されますが、帝国の最終兵器「MOA」の発射を阻止するため、脱出を試み、ネクタリス基地を目指します。

ネオ・ネクタリス: ガイチ帝国は連合軍に敗れ、国際監視下に置かれますが、秘密裏に再武装を進めます。2099年、帝国軍は再び月への侵攻を開始し、新たな戦いが幕を開けます。

ゲームシステム

ターン制戦闘: プレイヤーは自軍ユニットを操作し、敵ユニットを攻撃、敵拠点を制圧することでステージクリアを目指します。ユニットの全滅や自軍拠点の陥落でゲームオーバーとなります。

ユニットの種類: 多様なユニットが登場します。歩兵、戦車、自走砲、戦闘機、対空車両、輸送機、野砲、地雷、さらにはネオ・ネクタリスではバイオ兵器も登場します。各ユニットには固有の能力値や特殊能力があり、戦略的なユニット配置と運用が重要です。

ヘックスマップとZOC: マップは蜂の巣状の六角形（ヘックス）で構成され、ユニットの移動や射程はヘックス数で表されます。ユニットの周囲6ヘックスはZOC（ゾーン・オブ・コントロール）と呼ばれ、ユニットの支配下に置かれます。ZOC内への侵入は移動制限や戦闘への影響を及ぼします。

特殊効果: 戦闘には、包囲効果（敵ユニットをZOCで完全に囲むことで攻撃力と防御力を減少）、支援効果（隣接する味方ユニットからの攻撃力・防御力上昇）、地形効果（地形による防御力上昇）といった特殊効果が加味されます。これらの効果を戦略的に活用することで、戦況を有利に進めることができます。

ユニットレベルアップ: ユニットは戦闘で経験値を獲得し、レベルアップします。レベルアップすることで能力値が上昇し、より強力になります。

ユニット生産の廃止: このシリーズの大きな特徴として、ユニットを生産するシステムがありません。マップ上に配置されたユニットのみで戦うため、資源管理の戦略性は低いですが、ユニット配置や戦略的な運用が重要となります。

シリーズ作品とプラットフォーム

『ネクタリス』シリーズは、PCエンジン、PC-9800シリーズ、X68000、Windows、PlayStation、PlayStation 3、携帯電話、Game Boy、Xbox 360など、様々なプラットフォームでリリースされました。また、バーチャルコンソールやゲームアーカイブスでの配信、リメイク版なども存在します。

評価

本格的な戦略シミュレーションゲームでありながら、初心者にも理解しやすいルールと操作性の良さが評価されています。また、ユニット生産がないことで、詰将棋のような思考力を試されるゲーム性も魅力の一つです。

後世への影響

『ネクタリス』のゲームシステムは、1992年にハドソンから発売された『アースライト』にも受け継がれています。

まとめ

『ネクタリス』シリーズは、独自のゲームシステムと魅力的なストーリー、そして様々なプラットフォームでの展開により、多くのプレイヤーを魅了してきた戦略シミュレーションゲームです。その戦略性の高さ、そしてシンプルながらも奥深いゲーム性は、今もなお多くのプレイヤーに支持されています。

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