はぶらし

小説『はぶらし』の詳細

概要

『はぶらし』は、日本の作家近藤史恵によるサスペンス小説です。2010年から2011年にかけて月刊PR小説誌『ポンツーン』で連載され、2012年に単行本として刊行されました。この作品は、2016年にはNHK BSプレミアムでテレビドラマ化されています。

あらすじ

物語は、脚本家として成功している真壁鈴音が、久しぶりに同級生の古澤水絵から連絡を受けることから始まります。水絵は、離婚後に経済的に困窮し、7歳の息子・耕太を連れて鈴音のもとにやってきます。鈴音は、最初は水絵と耕太を一晩だけ泊めるつもりでしたが、事態は思わぬ方向へ進展します。

水絵の状況は厳しく、鈴音は彼女を助けるために手を差し伸べます。しかし、二人の生活は次第に険悪になり、鈴音は水絵の行動に疑念を抱き始めます。特に、水絵の物の扱いや生活スタイルは鈴音とは全く異なり、次第に鈴音のストレスが蓄積されていきます。水絵は鈴音から支援を受ける一方で、トラブルの種を引き起こすことが多く、鈴音は自己中心的な水絵に対して苛立ちを感じるようになります。

この物語の中で、鈴音は自身の人生と水絵との関係を深く見つめ直すことを余儀なくされます。水絵が自らの力で生活を立て直そうとする様子や、鈴音との関係の中で起こる緊張が、心理的サスペンスとして展開されます。子供の耕太もまた、二人の関係に深く関わっており、その存在が鈴音と水絵の間の葛藤をさらに深刻化させる要因となります。

物語はさらに進展し、水絵は失踪し、羈絆が完全に切れてしまいます。鈴音は水絵との過去や自分の行動を省みることになり、どうすべきか悩みます。彼女は水絵の実家に連絡をとる決心をし、耕太を無事に引き取り、解決を図りますが、その過程で様々な感情と対峙し、自身の限界に挑むことになります。

登場人物

• - 真壁鈴音: 自身が経済的にも精神的にも安定している中で、同級生の水絵との関係に戸惑いを感じている主人公。
• - 古澤水絵: かつての親友で、今は苦しい状況にある母親。自己中心的な行動が鈴音との関係を緊張させる。
• - 古澤耕太: 水絵の息子で、鈴音にとって無邪気さと母の苦しみの象徴的な存在。

テレビドラマ

この物語は2016年にテレビドラマ化され、内田有紀が鈴音を、池脇千鶴が水絵を演じました。ドラマでは心理的な緊張を強調し、キャラクターたちの内面が丁寧に描かれています。視聴者は、登場人物たちの複雑な感情に引き込まれ、最後まで目が離せない展開となっています。

結論

『はぶらし』は、友情や人間関係の深い情感を描いた作品であり、心の葛藤や成長を描写していると同時に、サスペンスの要素も盛り込まれています。鈴音と水絵の物語は、読者に様々なメッセージを届け、考えさせる内容に仕上がっています。

もう一度検索