バオー来訪者

バオー来訪者

『バオー来訪者』は、日本の漫画家・荒木飛呂彦による作品で、1984年から1985年にかけて『週刊少年ジャンプ』で連載されました。全17話が展開され、単行本は2巻にまとめられています。また、OVA作品も制作され、多くのファンに支持されています。

物語の概要

本作の物語は、青年・橋沢育朗と少女・スミレを中心に展開されます。育朗は生物兵器「バオー」に改造された青年であり、スミレは予知能力を備えた少女です。二人は、育朗の能力を狙う政府の秘密組織「ドレス」から逃げる逃避行を描いたストーリーです。

バオーとは

「バオー」とは、育朗の体内に寄生する寄生虫の名称であり、彼の超人的な能力の源泉ともなっています。バオーは、育朗の肉体に寄生し、彼の肉体能力を何倍にも引き上げることができます。この寄生虫は、他の生物にも寄生することができ、物語の中で犬にも寄生する描写があります。博士の研究により、バオーは強力な生物兵器としての特性を持っています。

バオーは危機に際して宿主を支配し、強化された肉体を持たせて、様々な特殊技能を発現することができます。これを「バオー武装現象」と呼び、さまざまな攻撃技や防御能力を展開します。バオー自身の感覚は非常に発達しており、においによって敵を探知し、その悪意を持つ存在を攻撃対象として認識することができます。

主要キャラクター

橋沢育朗

育朗は、ドレスによる非人道的な実験でバオーを宿すことになった青年です。彼は真面目で内向的な性格であり、スミレとの関係を通じて成長していきます。また、彼は過去に家族と出かけていた旅行中に事故に遭っており、、そのトラウマが物語の重要な要素となります。

スミレ

スミレは孤児院で育った少女で、育朗に対して特別な感情を抱いています。彼女の予知能力は物語の進行に重要な役割を果たし、彼女自身の成長も描かれます。彼女はまた、育朗を助けるために命がけの行動を取ることもあります。

秘密組織ドレス

ドレスは、育朗とスミレを追跡する秘密組織であり、科学的な実験を通じて新生物を創造しています。彼らは過去の軍事遺産を引き継ぎ、さまざまな生物兵器の開発を行っています。物語を通じて、育朗とスミレはこの組織から逃げるだけでなく、彼らの真の目的を知ることになります。

作品の影響と評価

『バオー来訪者』は、荒木飛呂彦の独特な作風とストーリー展開が評価され、多くの著名な漫画家やファンに影響を与えました。その後の作品にも影響を及ぼす要素を持ち、荒木の漫画家としての地位を確立する契機の一つとなりました。

OVA化

1989年にはこの作品がOVAとしてアニメ化され、劇場公開もされました。原作とは異なる設定やカットされた要素も存在しますが、原作の魅力を活かしたものとして一定の評価を受けました。

このように『バオー来訪者』は、荒木飛呂彦のキャリアの中で重要な位置を占める作品で、多くのファンに愛され続けています。

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