バリガダ

グアム島のほぼ中央に位置するバリガダは、主に閑静な住宅地で構成される村です。その中心部は、島の大動脈である8号線、10号線、16号線が交差する地点、グアム国際空港のすぐ南側に位置しています。

地理的特徴

村の東側に広がるバリガダ・ハイツと呼ばれる丘陵地帯は、空港やタモン湾のホテル群を見下ろすことができる優れた眺望に恵まれ、島内でも比較的裕福な住民が多く暮らすエリアとして知られています。

歴史的背景

この地は、第二次世界大戦末期のグアムの戦いにおいて、重要な戦場となりました。1944年8月2日から4日にかけて、現在のバリガダ・ハイツ周辺に陣地を構えていた日本軍に対し、アメリカ海兵隊が激しい攻勢をかけた結果、日本軍の戦線は崩壊し、米軍が島北部へ日本軍を追いやることに成功しました。
戦後、村を通る主要な3本の道路は、退役軍人の功績を称える名称に改められました。8号線は「パープルハート・メモリアル・ハイウェイ」、10号線は「ベトナム・ベテランズ・ハイウェイ」、そして16号線は「アーミー・ドライブ」と命名されています。

ティージャン地区

8号線と16号線の北側に広がる広大な土地は、かつてアガナ海軍航空基地の敷地であり、その大部分がバリガダ村の区域に含まれます。1990年代中頃に基地が閉鎖された後、敷地と建物はグアム政府に移管され、多くの旧基地施設が行政機関の事務所として再利用されました（一部はその後移転）。海軍関係者のための居住施設は撤去され、空港関連の商業施設用地などに転換されました。この一帯は、基地化される以前のチャモロ語の地名であるティージャン（Tiyan）という名称が再び一般的に用いられるようになっています。
基地閉鎖に伴い、滑走路北側には新たにセントラル・アヴェニューやサンセット・ブルバードといった道路が開通し、バリガダから近隣のタムニンや経済の中心地であるタモンへのアクセスが改善されました。

行政・公共サービス

バリガダ村は、グアムの行政・公共サービスの重要な拠点となっています。

グアム政府関連機関

グアム国際空港を運営するグアム国際空港局は、空港施設内の旅客ターミナルに本部を置いています。
グアム環境保護局やグアム警察署の本部庁舎は、ティージャン地区に位置します。

アメリカ合衆国連邦政府関連機関

アメリカ合衆国郵便公社の中央郵便局にあたる「グアム・メイン・ファシリティ（GMF）」が運営されています。
グアムを含む広範な空域の航空交通を管制する連邦航空局のグアム航空路管制センターがティージャンに所在し、TRACONおよび航空交通管制業務を提供しています。
* グアムだけでなく北マリアナ諸島や米領ミクロネシア地域（ウェーク島など）の気象予報を行うアメリカ国立気象局の予報事務所もティージャン地区に設置されています。

経済活動

ティージャン地区には、ローカル航空会社であるフリーダムエアーの本社が置かれるなど、一部の経済活動も見られます。

教育・文化施設

村内にはグアム公立学校システムの小学校が2校（K-5）と中学校が1校設置されていますが、高校はありません。バリガダの生徒は隣接するマンギラオ村にあるジョージ・ワシントン高校の校区となります。公立学校に加え、幼稚園から高校までを対象とする私立のハーベスト・クリスチャン・アカデミーも存在します。また、地域住民のためにグアム公立図書館システムのバラガダ図書館が運営されています。

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