バンフ

バンフ：カナディアンロッキーの宝石

バンフは、カナダ・アルバータ州に位置する、バンフ国立公園の中核をなす美しい町です。カナディアン・ロッキー山脈の壮大な景観に囲まれ、年間を通して多くの観光客で賑わいます。特に夏季は登山、冬季はスキーといったアクティビティが盛んで、温泉地としても高い人気を誇ります。

地理

カルガリーから西へ約127km、ブリティッシュコロンビア州境に近いレイク・ルイーズから約60kmの場所に位置しています。標高1,384mに位置し、レイク・ルイーズに次いでカナダで2番目に高い居住地です。ボウ川が流れ、周囲をカスケード山（2998m）、ランドル山（2949m）、ノーケイ山（2134m）、サルファー山（2281m）などの山々に囲まれています。また、市街の北東にはミネワンカ湖（21.5km²）があり、北緯51度付近という高緯度のため、オーロラが観測されることもあります。

歴史

1880年代、カナディアン・パシフィック鉄道によって観光地として開発されました。1883年に鉄道作業員が偶然温泉を発見したことがきっかけとなり、1884年には、鉄道社長のジョージ・スチーブンが自身の故郷であるスコットランドのバンフにちなんでこの地を命名しました。1885年には連邦政府によって周辺地域が保護区となり、リゾート地としての宣伝が開始されました。1887年には保護区は拡大され、「ロッキー・マウンテン・パーク」と命名、これがカナダ初の国立公園となりました。カナディアン・パシフィック鉄道はバンフ・スプリングス・ホテルを建設し、観光地としての地位を確立しました。

ノーマン・ラクストンは、ローカル紙の発行やホテル、劇場、博物館などを建設し、バンフの発展に大きく貢献した人物として知られています。1972年には冬季オリンピックの開催地に立候補しましたが、札幌に敗れました。しかし、1976年には火星のクレーターの一つに「バンフ」と命名されるなど、その名が世界に広まりました。1984年にはバンフ国立公園を含む一帯が世界遺産に登録され、1991年には冬季デフリンピックが開催されました。1990年には国立公園内初の自治体としての町が編制されました。

気候

バンフは亜寒帯気候に属し、湿潤大陸性気候との境界付近に位置しています。年間を通して低温で、夏でも涼しいのが特徴です。1月の平均気温は-9.3℃、7月の平均気温は14.6℃で、年間降雪量は234cmです。過去最高気温は34.4℃（1934年）、最低気温は-51.2℃（1950年）を記録しています。

人口

2011年の国勢調査によると、人口は7,584人です。自治体統計では居住者8,244名、そのうち定住者は7,251名です。定住者の6%が日本人であり、多くの日本人が居住しています。町の人口増加が自然に悪影響を及ぼす懸念から、連邦政府は開発を制限し、定住を「居住の必要性」を示せる者に限っています。

交通

バス

Roamと呼ばれる公共交通バスが運行されています。以前はバンフ交通局として運営されていましたが、現在はボー・ヴァレー地域交通委員会が運営しています。

ルート1：サルファー山
ルート2：トンネル山
ルート3：バンフ - キャンモア
ルート4：ケイヴ・アンド・ベイスン（夏季週末のみ運行）

鉄道

カナダ太平洋鉄道の定期旅客列車は廃止されましたが、ロッキーマウンテニア社による観光列車が夏季限定で運行されています。また、カルガリー国際空港までの鉄道計画も進められています。

航空

最寄りの空港はカルガリー国際空港です。バンフ国立公園内にはバンフ空港がありますが、非常時にのみ利用されています。

文化

バンフ芸術創造性センター

1933年設立の芸術学校を前身とする滞在型文化施設で、音楽や舞台芸術分野のサマースクール、様々な会議が開催されています。バンフ・マウンテン映画祭、バンフ・マウンテン書籍祭の開催地としても知られています。

バンフ国際研究ステーション

2003年に設立された、数理科学の国際研究交流拠点です。様々なプログラムが通年開催されています。

メディア

新聞：クラッグ・アンド・キャニオン（一般紙）、ロッキーマウンテン・アウトルック（週刊コミュニティーペーパー）
ラジオ：英語とフランス語のローカル局、カルガリーなどのラジオ局の再送信
* テレビ：CTVとグローバルのカルガリー局を再送信

バンフは、その豊かな自然、歴史、文化が調和した魅力的な町です。カナディアンロッキー観光の拠点として、世界中の人々を惹きつけています。

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