バーチャルボーイ

バーチャルボーイについて

バーチャルボーイ（VBox）は、1995年に任天堂から発売されたバーチャルリアリティゲーム機です。革新的な3Dグラフィック技術を用いて独自のゲーム体験を提供し、プレイヤーはゴーグル型のディスプレイを見つめることでゲームを楽しむことができます。外観が「赤い眼鏡」に似ているため、その愛称でも知られています。発売時の希望小売価格は15,000円でした。

操作方法

バーチャルボーイを使用するには、専用スタンドに取り付けられたディスプレイを覗き込む形式で遊びます。このデバイスは視差技術を利用し、右目と左目に異なる画像を表示することで、立体的な映像を実現しています。電池駆動で、テレビとは接続せず、主に室内で使用されるため、デスクトップでのプレイが基本のスタイルです。

開発の経緯

バーチャルボーイの開発は1994年に開始され、任天堂の横井軍平が主導しました。最初に発表された際は、バーチャル・リアリティをテーマにしており、1995年には発売日と価格が変更されました。この技術は、航空機の整備士が作業を効率化するために使用されることを目的に開発されていました。

ハードウェアの特徴

バーチャルボーイは特異なハードウェア構成を持ち、独自の映像表示技術を使用しています。その内部には224個の赤色LEDが並んでおり、対称的な鏡と共に動作して立体感を生み出します。さらに、CPUにはNECのV810を採用し、サウンドもゲームボーイと似た方式で構成されています。画面は384×224の解像度を持ち、明るさ調整が可能です。

基本仕様

バーチャルボーイの基本仕様は次の通りです。

• - CPU: カスタムV810（20MHz）
• - RAM: 1MB
• - SRAM: 512KB
• - 画面: 4階調モノクロ、384×224ドット、明るさ調整32段階
• - サウンド: 16ビットステレオ、波形メモリ音源
• - コントローラー: ボタン6個、十字キー2個

ソフトウェアと市場反応

バーチャルボーイ向けには19タイトルがリリースされました。主なタイトルには『マリオズテニス』や『ギャラクティックピンボール』などが含まれています。サードパーティ製のソフトも含め、多くの種類のゲームが展開されましたが、販売台数は国内で約15万台、全世界で77万台程度と期待されたほどには伸びませんでした。

反響と評価

バーチャルボーイの評価は分かれることが多く、当時の他のゲーム機と比較してロースペックとされましたが、その独自性や新しさを評価する声もありました。任天堂の関係者の中には、バーチャルボーイが単なるゲーム機ではなく、新しい娯楽としての可能性を示すものであると考えていた者もいました。また、視力への影響が懸念されていましたが、研究結果では逆に好影響を与えるとの結果も出ています。

販売後の影響

バーチャルボーイの開発者たちの理念は後のニンテンドーDSやWiiに引き継がれました。任天堂はその後も3D技術の研究を続け、ニンテンドー3DSなどの新たな製品に活かされています。また、ゴーグル型VRゲームの形式は近年のNintendo Laboなどにも影響を与えています。

このように、バーチャルボーイはその独自の特性によって、一時的な人気はなかったものの、後の技術革新に対して影響を与え続けています。

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