パワーレンジャー・ロスト・ギャラクシー

『パワーレンジャー・ロスト・ギャラクシー』（Power Rangers: Lost Galaxy）は、アメリカで制作されたテレビドラマシリーズであり、日本の特撮作品「スーパー戦隊シリーズ」の英語版ローカライズ作品である「パワーレンジャーシリーズ」の第7シーズンにあたります。この作品は、1998年に日本で放送された『星獣戦隊ギンガマン』をベースとしています。

概要

『パワーレンジャー・ロスト・ギャラクシー』は、前作『パワーレンジャー・イン・スペース』のSF路線を継承しつつ、原作『星獣戦隊ギンガマン』のファンタジー要素を取り入れた作品です。物語は、移動型スペースコロニー「テラ・ベンチャー」で新天地を目指すという壮大なスケールで展開されます。この設定は、共同プロデューサーの坂本浩一氏が、自身が子供の頃に愛好していたアニメ『機動戦士ガンダム』や『宇宙戦艦ヤマト』から着想を得て提案したものです。

本作では、主要人物が毎年変わるようになり、前作からの共演も恒例となりました。シリーズ前半のストーリーは原作に準拠していますが、アメリカ独自の要素も多く盛り込まれています。坂本氏は、原作の物語を基にスケールを拡大し、コスチュームや武器のデザインもストーリーにマッチするように調整したと語っています。また、監督には原作の監督を務めた田﨑竜太氏が参加し、日本式の撮影ノウハウがアメリカの制作現場に導入されました。

ストーリー

物語は、伝説のギャラクシーサーベルが眠る星ミリノイ星が、宇宙昆虫軍団に襲われるところから始まります。地球人のレオ、カイ、デーモン、ケンドリックスの4人とミリノイ星の少女マヤは、ギャラクシーサーベルを手にしたことでギャラクシーパワーレンジャーとなり、星から脱出します。彼らは、地球で開発されたスペースコロニー型宇宙船「テラ・ベンチャー」に乗り込み、ギャラクシービーストの力を借りながら、宇宙昆虫軍団と戦い、新天地を目指す旅を始めます。

戦いの中で、レオの兄マイクがマグナ・ガーディアンの遺志と力を受け継ぎ、ケンドリックスの遺志はカローンに受け継がれます。「テラ・ベンチャー」は異次元宇宙ロスト・ギャラクシーに迷い込み、現地の宇宙海賊との戦いを強いられます。ロスト・ギャラクシーからの脱出に成功するものの、テラ・ベンチャーは限界を迎え、航行不能になってしまいます。乗組員たちは近隣の星に避難し、パワーレンジャーは宇宙昆虫軍団との最終決戦に勝利します。

戦いが終わった後、避難した星がミリノイ星であることが判明します。ギャラクシーサーベルを元に戻すと、石化していたミリノイ星の民は元に戻り、ケンドリックスも復活を遂げます。こうして、ミリノイ星から始まった戦いは終わりを迎えます。

登場人物

パワーレンジャー・ロスト・ギャラクシー（ギャラクシーレンジャー）

レオ・コービット/レッドレンジャー：リーダー。テラ・ベンチャーに密航し、兄からサーベルを受け継ぎレッドレンジャーになる。
デーモン・ヘンダーソン/グリーンレンジャー：サブリーダー。メカニック担当。口癖は「だっての」。
カイ・チェン/ブルーレンジャー：テラ・ベンチャーのメインクルー。生真面目な性格で料理が得意。
マヤ/イエローレンジャー：ミリノイ星の少女。動物の言葉を理解できる。
ケンドリックス・モーガン/ピンクレンジャー：テラ・ベンチャーのメインクルー。頭脳明晰でギャラクシーブックの翻訳を担当。途中で死亡するが、最終回で復活。
カローン/2代目ピンクレンジャー：アンドロスの妹。アストロネマ時代の罪を償うため、ケンドリックスのサーベルを受け継ぎピンクレンジャーとなる。
マイク・コービット/2代目マグナ・ガーディアン：レオの兄。マグナ・ガーディアンの力に翻弄されながらも、最終的には正義の心を取り戻し、マグナ・ガーディアンとして戦う。

協力者

マグナ・ガーディアン：過去にスコーピウスに故郷を滅ぼされた戦士。マイクに力を託す。
ゼータ：マグナ・ガーディアンの息子。父を諭し正義の心を取り戻させる。
アルファ6：前作からの登場。レンジャーたちのサポート役。
アンドロス/レッドスペースレンジャー：前作のレッドレンジャー。他のスペースレンジャーと共に登場。

テラ・ベンチャー関係者

スタントン司令官：テラ・ベンチャーの司令官。
レニエール総督：テラ・ベンチャーの最高責任者。
バルクとフェノーメナス博士：前作からの登場。ハンバーガー屋を経営。

敵

宇宙昆虫軍団：ギャラクシービーストとギャラクシーサーベルを狙う悪の軍団。昆虫のような外見を持つ。
スコーピウス：軍団の支配者。冷酷な性格だが娘には甘い。
トラキーナ：スコーピウスの娘。父親の死後、軍団の新たな支配者となる。最後はモンスター化する。
フリオ：軍団の参謀。ギャラクシーサーベルを奪おうとするが失敗を重ねる。
シントー：フリオの後任。スコーピウスの忠実な部下。
デビオット：スコーピウスの右腕になりたいと企む謎の男。ロストギャラクシーの扉を開く。
ビラマックス：トラキーナのナイトと自称する剣士。正々堂々とした戦いを好む。
ケグラー：ビラマックスの相棒。メカニック。
サイコレンジャー：かつてスペースレンジャーと戦った悪の戦隊。ギャラクシーレンジャーによって再び倒される。
キャプテン・バウンティ：ロストギャラクシーの支配者。宇宙船の乗組員を奴隷として酷使する。
ヘクスバ：バウンティの部下である魔女。倒されたモンスターを蘇らせる。

メカニック

ギャラクシービースト/ギャラクシーゾード：レンジャーに力を貸す巨大な宇宙生物。ギャラクシークローのエネルギーでギャラクシーゾードに変形し、合体してギャラクシーメガゾードになる。
ライオン（レッド）、コンドル（グリーン）、ゴリラ（ブルー）、ウルフ（イエロー）、ワイルドキャット（ピンク）
ギャラクシーメガゾード：5体のギャラクシービーストが合体した姿。
ギャラクシーメガゾード・オリオンパワー：オリオンの光で強化された形態。
ブルゾード：マグナ・ガーディアンのゾード。
マグナディフェンダー：マグナ・ガーディアンがブルゾードの力で巨大化した姿。
マグナ・ブルゾード：マグナディフェンダーとブルゾードが合体した姿。
ロストギャラクシービースト：デビオットに改造され操られていたギャラクシービースト。
ストラトフォースメガゾード：鳥型宇宙生命体。スピード重視の戦法を得意とする。
ケンタウルスメガゾード：サイ型宇宙生命体。パワー重視の戦法を得意とする。
キャリアーゾード：クジラ型宇宙生命体。体に付いた砲台が武器。
ジェット・スライダー：アルファ6が開発した小型飛行機。
アストロサイクル：ギャラクシービーストを模したバイク。
ハイパー・アーマードサイクル：レオとライオンギャラクシービーストの心が共鳴したことによりアストロサイクルが強化変身した形態。

装備

トランス・モーファー：ギャラクシーレンジャーの変身ブレス。
ギャラクシー・サーベル：ミリノイ星に宿る伝説の剣。レンジャーに力を与える。
ギャラクシーロッド：デーモンが開発した棒状の武器。
ギャラクシークロー：レンジャーたちが奪った強力な武器。5つのクローを合体させ必殺技を放つ。
ライトオブ・オリオンアーマー・パワーレンジャー：オリオンの光でパワーアップした形態。
レッド・アーマードパワーレンジャー：レッドレンジャーが怒りの戦士のキーでパワーアップした姿。
マグナ・ガーディアン・モーファー：マグナ・ガーディアンの変身ブレス。
マグナサーベル：マグナ・ガーディアンのサーベル。銃としても使用可能。

用語

テラ・ベンチャー：新世界を目指す都市型宇宙船。
GSA：テラ・ベンチャーを運営する組織。
ミリノイ星：マヤの故郷。ギャラクシー・サーベルが宿ると伝えられる。
オリオンの光：マグナ・ガーディアンが放った魔法のエネルギー。レンジャーを強化する。
ギャラクシーブック：謎の書物。様々な情報が記されている。
ロスト・ギャラクシー：謎に包まれた異次元空間。迷い込んだ者は二度と戻れないと言われている。

キャスト

主要キャストには、ダニー・スラヴィン、レッジー・ロル、アーチー・カオ、セリーナ・ヴィンセント、バレリー・ヴァーノン、メロディ・パーキンス、ラッセル・ローレンスらが名を連ねています。日本語吹替版では、小川輝晃、小野塚貴志、前原一輝、田中恵理、松岡由貴、折笠愛、土田大らが声優を担当しています。

各話リスト

全45話で構成されています。

映像ソフト化

アメリカではVHSとDVDで発売されています。

日本語版

日本語版はスーパーチャンネルで放送され、VHSがレンタル専用でリリースされました。

参考文献

戸澤好彦構成『25大スーパー戦隊シリーズ完全マテリアルブック』下巻、勁文社、2002年。
『超合金魂 II バンダイキャラクタートイ大全集』徳間書店、2001年。

外部リンク

「パワーレンジャーロストギャラクシー」 - スーパー!ドラマTV 公式サイト

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